この記事では、橋梁架設工事に必要な作業資格である「鋼橋架設作業主任者」の資格の取得方法と、橋梁工事の橋の架設方法を解説していきます。
毎日、どこかで利用している橋ですが橋の施工は、「架設工事」といわれて専門的職種の知恵と土木的な技術力がすごく詰まっています。
そこで、橋梁架設工事に必要な作業資格の取得方法と、橋梁工事の橋の架設方法や対策について解説していきたいと思います。
今回の技能講習は、鋼橋架設工事の施工に伴う作業主任者講習になりますが鋼橋架設工事は読んで文字のごとく、鉄の橋になりますが、橋には他にもPC桁とかいろいろあります。
鋼橋架設工事の建設用語呼び方解説と技能講習の説明
今回は鋼橋架設工事についてまとめていきます。
①橋桁・鉄骨等を制作する『ファブ』とは?

橋桁・鉄骨等を制作は、「ファブ」と言われる制作工場で国土交通大臣の指定工場で作成されます。
ここで作成されて現場に納品されます。
現場には建設業許可の看板とは他にこの制作工場の看板も掲示されていますので仮囲い等に貼ってあります。
「ファブリケーター」と言われ、JFEなど大手の企業が鉄骨制作工場としては有名です。
橋桁・鉄骨等を制作する「ファブ」についてです。「ファブ」とは、国土交通大臣の指定工場で橋桁や鉄骨などが作成される制作工場のことです。ここで作られた部材は現場に納品され、建設業許可の看板と共に制作工場の看板が掲示されています。
②作成された橋桁等を架設する橋梁鳶
このような工場で作成された橋桁はトラックなどで現場へ運搬されて、様々な現場状況や環境に応じて施工方法が検討されて工事されていきます。
では実際に橋の架設にはどのような工法があるかまとめて行きたいと思いますが、その中でこの運ばれてきたものを現場で組立るのが鳶でも重量鳶・橋梁架設鳶になります。
この中でも作業の指揮をするのが鋼橋架設作業主任者になります。
鋼橋架設作業主任者技能講習の受講資格と職務内容の完全解説

橋梁架設工事にはいろいろな設置方法があるのでこのあとにまとめて行きます
橋梁工事は架設だけでなく足場の施工吊り足場や張り出し足場など仮設工事も重要になります。
足場組立特別教育の受講方法と作業主任者講習との違い現場での墜落転落災害を防ぐ方法とは?
橋桁設置後も仕上げに入る橋梁塗装工事や床版工事などのコンクリート・舗装工事など多くの施工が伴います。
常に現場ごとに架設条件は違いますので鋼橋架設工事の職長は施工方法と安全・品質などの知識を持たないと大きな労働災害につながる可能性があります。
その施工を指揮する作業主任者の受講は非常に大切です。その資格の取得の方法をまとめてみました。
鋼橋架設等作業主任者の役割と責務について
金属製の橋梁の上部構造(高さが5メートル以上又は橋梁の支間が30メートル以上)の架設、解体又は変更の作業を行うには鋼橋架設等作業主任者を選任しなければなりません。つまり橋の工事ではほとんど該当してきます。
鋼橋架設等作業主任者は、労働安全衛生法に定められた作業主任者のひとつであり、鋼橋架設等作業主任者技能講習を修了した者の中から事業者が選任します。
鋼橋架設作業主任者技能講習受講資格
- 橋梁架設などの作業に3年以上従事した経験がある
- 大学や高等学校などにおいて、土木や建築に関する学科を専攻し卒業後、2年以上の鋼橋架設などの作業に従事した経験がある
- その他厚生労働大臣が定める者
鋼橋架設作業主任者技能講習についての詳細解説
- 作業の方法に関する知識
- 橋梁の種類、材料、構造、設計図及び工作図 工法の種類及び作業の方法 架設等に関わる点検の方法
- 工事用設備、機械、器具等に関する知識
- 工事用設備及び機械の取扱いや器具及び工具、電気
- 作業環境等に関する知識
- 墜落防止のための設備 落下物による危険防止のための措置 悪天候時における作業の方法 服装及び保護具
- 作業者に対する教育等に関する知識
- 作業者に対する教育及び指導の方法、作業標準、災害発生時における措置
- 関係法令
- 労働安全衛生法、労働安全衛生法施行令、労働安全衛生規則及びクレーン等安全規則中の関係条項
- 修了試験
免除科目のない人は計11時間の講習になり関連する資格の保有者は一部免除に該当する場合がありますが、鋼橋架設等の作業に3年以上従事した経験を有する等の受講資格が必要です。
鋼橋架設等作業主任者の役割と責務について、重要なポイントをご説明しました。鋼橋架設等作業主任者は、安全衛生法に基づき選任される重要なポジションであり、架設や解体などの作業において責任を持ちます。このような役割を果たすためには、鋼橋架設作業主任者技能講習を修了し、厚生労働大臣が定める条件を満たす必要があります。
鋼橋架設作業主任者としての資格を取得するには、橋梁架設などの作業に実務経験が必要であり、さらに専門的な知識や技術が求められます。作業の方法や工事用設備、作業環境に関する知識を習得することで、安全かつ効率的な作業を行うことができます。また、落下防止や作業服装などの安全対策を徹底し、作業現場での事故やトラブルを未然に防ぐことが重要です。
技能講習を取得するメリット

自分の成長過程で作業資格や技能講習を受けた後は、「取得した資格に見合った仕事を行う」「日常業務で活かす」「他者への指導・支援」など意識的な行動が求められます。しっかりと目標を設定し、効果的にスキルアップへつなげていくことが肝要ですね自身のスキルアップは単なるキャリア形成だけでなく、個人や企業全体の競争力向上に欠かせない要素です。作業資格や技能講習を通じて身につけたスキルは、将来へつながる投資でもあります。私も様々な作業主任者や重機関連の資格を取りましたがこれは今、役に立ってますね今後取得するならこういう資格を目指すのもいいですね。
業種別職人から施工管理へ現場で役立つ資格をまとめ
私も施工管理になる前は現場職人でした。土木系なのでやはり土木施工管理技士を取得しましたね。良ければチェックしてみてください
土木系 | 土木施工管理技士 | ||
建築系 | 建築施工管理技士 | 建築士 | |
電気系・設備系 | 管工事施工管理技士 | 電気施工管理技士 | 電気通信施工管理技士 |
給水装置工事主任技術者 | 2級ボイラー技士 | 消防設備士四類 |
この記事にまとめている技能講習一覧
技能講習一覧をまとめたこの記事についてご紹介いたします。技能講習は、労働現場において特定の作業を行う際に必要なスキルや知識を習得するための重要な取り組みであり、安全性と生産性の向上に貢献します。この一覧には、様々な職種における技能講習が含まれており、それぞれの分野で必要とされるスキルや手法を網羅しています。まず、建設業界における高所作業や重機操作などの技能講習が挙げられます。これらの講習は、安全意識を高め労働災害を防止することを目的としています。また、製造業ではフォークリフト操作や化学物質取り扱いなど、特定の作業に必要な技術や扱い方を身につけるための講習があります。
技能講習 早見表 | |
木材加工用機械 | フォークリフト |
プレス機械 | 不整地運搬車 |
乾燥設備 | 高所作業車 |
コンクリート破碎器 | ショベルローダー |
地山の掘削 | 小型移動式クレーン |
地山の掘削および土止め | 床上操作式クレーン |
土止め支保工 | 車両系(解体用) |
ずい道(掘削) | 車両系(基礎工事) |
ずい道(覆工) | 車両系(整地) |
採石 | 玉掛け |
はい作業 | ボイラー取扱 |
船内荷役 | ボイラー据付け |
型枠支保工 | 鋼橋架設 |
コンクリート解体 | コンクリート橋架設 |
足場組立て | 鉄骨組立て |
鉛 | 木造建築物組立て |
特定化学物質 | 酸素欠乏・硫化水素 |
四アルキル鉛 | 酸素欠乏 |
特定化学物質および四アルキル鉛 | 普通圧力 |
有機溶剤 | 化学圧力 |
ガス溶接 | 石綿 |
オンデマンドで受講が出来る特別教育・安全教育はこちら
オンデマンド講習資格取得 | 講習の解説を詳しく説明 | オンデマンド講習資格取得 | 講習の解説を詳しく説明 |
職長安全衛生教育 | 解説! | 低圧電気取扱者特別教育 | |
足場の組立等特別教育 | 解説! | 玉掛け特別教育 | 解説! |
フォークリフトの運転の業務に係る特別教育 | 解説 | チェーンソーによる伐木等特別教育 | 解説! |
![]() ![]() | |||
振動工具取扱作業者安全衛生教育 | 解説! | 自由研削といしの取替え等業務特別教育 | 解説! |
フルハーネス型墜落制止用器具特別教育 | 解説! | コンクリートポンプ車特別教育 | 解説! |
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橋梁架設工法の基本を理解するための知識
橋梁架設の基本:送り出し工法とは何か?
河が流れてい場所や建設箇所の下に道路道路などがあり、移動式クレーンやトラッククレーンが設置出来ない場合には、橋を組立する場所に更地の大きなスペースが必要になります。
そこで一度主桁と手延機を組み立てしてスペースがないと施工できない工法になります。
簡単に説明すると、イメージとして広いスペースにレールを並べて、桁を組んでレールで滑らせて前に押し出していくイメージになります。橋の先端に付けたガイド(手延機)を橋の橋脚に到着させていく桁本体を対岸に引き込んでいくイメージとなりますなります。

対岸で同様に広いスペースが必要になり、手延機を解体できる場所が必要になりますが、ゆっくりと押し出していくとので当然ながらクレーンのように吊って設置するよりかは、時間がかかります。
せり出していくので先端を前に押し出してる際に重さでズリ落ちない内容に、強度計算や施工の技術力が伴われます。
山岳地域における橋架設技術: ケーブルエレクション工法の有用性

谷や山間の橋梁仮設では、ベント設置やクレーンの配置などが出来ず、送り出し工法の広い敷地の確保が出来ない場所など現場条件などがあります。
崖や谷で、ベントが設置できない場合には両岸のに鉄塔設備を設置します。
この鉄塔にアンカーブロックを設置して両岸からワイヤー張りサーカスの綱渡りのような感じでワイヤーでロープを貼り、このロープに直接吊りが出来るようなケーブルクレーンを現場で組立して橋梁設置を行っていきます。

山岳部や渓谷など施工スペースも限られておりケーブルクレーンで架設を繰り返していきます。
取り付け部材を固定して仮固定としてワイヤーロープを利用して落下しないように直吊りして桁固定等などを進めていきます。
ウィンチの要領に似ていていますが、経験と知識をもった職人(技能者)でないと施工にはかなり危険が伴います
高度な架設技術:トラベラクレーン工法の魅力

この施工方法は高速道路や鉄道などでは、施工を見かける場合があります。
橋を施工する場所に移動式クレーンが設置できない場合には、桁のうえに直接クレーンを配置して、施工していきます。
施工としては、桁架設が進むにつれてクレーンが走行するため走行レーン(軌条)を設置してベントも必要に応じて逐次施工も必要になりますが、クレーンの支持設置する場所の強度や位置な確認して施工して施工しないと崩落する可能性も伴います。
クレーンは支持部分に設置されているので、材料の桁材は運搬台車(車両)で近くまで運ばれて施工されます。単純トラス桁が数径間あるなどの条件の場合など適用される架設工法です。

他にもある驚愕の施工方法を次にまとめて行きたい思いますので船で橋を運ぶ工法などや実際の事故などをまとめて行きますので是非チェックしてみてください
驚異的な技術:大型クレーンを用いた橋梁工事の施工
橋にはいろいろな施工方法がありましたね。河川をまたぐような、送り出し工法・ケーブルエレクション工法などもあり、クレーンと桁をかけては進むみたいな芋虫作戦みたい工法もありますがこちらはダイナミックな工法です。


海上での橋梁施工はとくに大型の船で橋が運ばれてきて、大きな海の上でクレーンで設置されたりしているのをテレビで見たことがあると思います。
この大きなクレーンはフローチングクレーンと呼ばれ、台船と呼ばれる船で橋を丸々運搬してきて、大型の船舶型クレーンを使用して架設する工法になります。
当然ながらかなりスケースの大きい施工になるので、一括してドカッと施工になるので一括架設とかも言われています。
これは見た目の通り、工期は短くなりますが海のうえでの作業になるので気象条件が左右されますが施工の一括化するには最適な工法になります。
ベント工法とクレーン吊り上げ:効率的な鋼橋架設方法の解説

トラッククレーンベント工法は、移動式クレーンで鋼製ベントと呼ばれる架台を一時的に橋脚の代わりになる受け台を組み上げます。
トラックやトレーラーで運ばれてきた鋼製の架設桁を移動式クレーンで吊り上げして、順番に組んで行きます。

橋桁を、ボルト(溶接)等で堅固に固定したら桁は繋がり、本来の橋脚と橋梁で支持されたら、このベントは解体します。施工的には多く採用される工法で、仮設レンタル会社からもレンタルしやすく仮設設備としては、短期間で施工も出来るの橋梁架設作業になります。
ただし、施工を間違ったり手順を見落とすと重大な災害も実際に発生しています。
橋の施工方法は沢山ありますね。ただ大きな橋桁を設置していく工事です。当然ながら危険な工事を伴います。その事例等と施工の責任書になる作業主任者の講習内容を。この次に紹介していきたいと思います。是非チェックしてみてください
安全管理の重要性:新名神高速道路有馬川橋橋桁落下事故

橋梁を支えるはずのベントが、転倒して橋桁ごと墜落したニュースはご存知でしょうか?
宝塚SAが人気な新名神ですが、ただこの高速道路工事では非常に大きな大惨事の事故が発生しています。
この事故は作業員10名が 死傷(死亡者2名、負傷者8名)した重大な労働災害で、更に国道通行止めを伴う公衆災害まで発生したとんでもない重大事故になります。
新しく開通した新名神は事故が頻繁に発生したのは知っている人も多いと思います。
西日本最大の店舗棟面積や西日本最大級の駐車台数となる宝塚北サービスエリア。宝塚市中心部「花のみち」周辺の南欧風景観をイメ…
平成26年4月22日16時30分頃、国道176号、有馬川及び 旧176号を横過する有馬川橋橋桁の降下作業準備中に何らかの原因により上り線橋桁(約120m、約 1,350t)が、国道176号上に落下した。あとからの調査で、桁を支えるベントが傾いた為に、橋桁が工事中に落下した。
非常に恐ろしい事故が発生したニュースは、まだ記憶に新しいです。
橋梁架設工事作業主任者のまとめ
作業主任者講習と簡単にまとめられてる事が多いですが、橋梁架設工事は実際には作業環境や作業条件によって施工が大きく変わります。
作業主任者は、資格講習を取得したあとには作業経験をたくさん詰まないと現場で潰しが効かないです。
工法には、現場条件に合わせてベント工法や送り出し工法など様々な施工があります。是非いろいろ調べてもらえればと思います。