この記事ではキャリアダンプと言われる重機を運転できる不整地運搬車の技能講習について説明していきたいと思います
キャリアダンプってあまり見たことがないけどどんな車なんだろう?と、名前からではどんな車なのかよくわからないですよね。
あまり知られていない建設車両ですが、一度は見たことがある車両ではないかと思います。
不整地運搬車と呼ばれるクローラーダンプを運転するには、クローラーダンプはキャリアダンプとも呼ばれており運転する為の資格が必要になります。
実は、筆者もこの資格持っていて、興味があり取得しました。
非常に面白い乗り物でしたので紹介していきます。
不整地運搬車/クローラダンプの特徴
まず、不整地運搬車とは、一体どんな車両なのか解説していきます。
一般的に公道で走っているダンプトラックとは違い、クローラーダンプはタイヤ部分がキャタピラタイプとなっているダンプです。
道が悪いところや、デコボコの道でも走れる最強のダンプです。(キャリアダンプといわれる場合もあります)
速度は機械によりますが、1速〜4速のギアの切り替えができます。普通のダンプみたいに前進走行では、時速60キロも出すことはできません。
4速入れたとして時速10キロ程度と非常にゆっくりと走るのが特徴です。
水陸両用クローラダンプ
なんと、水陸両用車の車両もあります。
こちらの工事現場では、浅瀬であれば余裕で走ることが可能です。
また、自衛隊車両にも導入されているように、山岳や悪路でも資材運搬も可能です。
クローラダンプのキャタピラには鉄製とゴム製の違い
他のキャタピラ式の車両と同様、クローラダンプもキャタピラがゴム製と鉄製の2種類に分かれています。
ゴム製は、主に小型機械に使われることが多く、舗装された道路も走ることができます。
しかし、ゴムのためか切れやすく、短いスパンで交換しなくてはいけないデメリットがあります。
一方、鉄製は重量のある大型機械に使われることが多いです。
ゴムに比べて、不整地でも走りやすくなっており、また鉄製のためキャタピラが切れることなく長期的に走ることができます。
しかし、一度切れたら交換するのは至難の業であり、また舗装された道路を走行するとアスファルトにキャタピラが食い込んで、アスファルトはめくり上がるので走れないというデメリットがあります。
公道を走ることがないキャリアダンプはゴム製、公道を走るキャリアダンプは鉄製となっているようです。
クローラーダンプ車体の大きさと重量について
車両には様々な大きさが存在します。
小さなものでサイズで大きさは
長さ2925×幅1185×高さ1460で体重計に乗せると980キロぐらいです。
つまり1トンになります。この1トンがあとで重要になります。
また、最大の大きさだと、諸岡から販売されている20トンのキャリアダンプがあります。
それでも普通のダンプトラックと比べるとやや小型なものが多いかなと思います。
オフロードダンプはどのような資格が必要?
ズバリ、同じ資格で走行できる車両は種類によって違います。
実は、このオフロードダンプトラックも「不整地運搬車」の種類に分類されるトラックです。
パッと見た感じでは、「普通のダンプトラックと何が違うの?」と感じるかと思いますが、タイヤが不整地でも走りやすいように重量感のある凸凹したタイヤを使っています。
一般的には公道を走ることがなく、現場内でのみ活躍する車両です。
公道を走ることができないのは法律で定められているからです。
不整地運搬車技能講習を受講して運転できるトラックは以下の通りです。
アーティキュレート式オフロードダンプ
前軸と後軸の間の車体が折れ曲がって操舵するタイプのオフロードダンプです。
小回りがきくダンプトラックです。
不整地運搬車の資格が要ります。
スキッドステア式オフロードダンプ
3軸6輪以上となっているタイプの車両です。
不整地運搬車の資格が要ります。
オーソドックスな2軸・4輪タイプオフロードダンプ
見た目はダンプトラックと変わらない感じに見えますが、その大きさと重量から「重ダンプ」とも呼ばれる車両です。
公道で走るわけではなので、運転免許など技能講習を受ける義務はありません。
つまり、オフロードダンプで特に資格の要らない車両はこのタイプに限ります。
ただ、企業によっては「大型免許取得し3年以上の者のみ」など独自の基準を設けているところもあります。
次に、資格取得する方法や不整地運搬車の補足知識などをまとめていきたいと思いますので次をチェックしてみてください
不整地運搬車を運転登坂能力が重要
実は、整地されていないところを走ることが多いキャリアダンプは、度々転倒事故が起きていることが多い建設機械です。
主な事故原因で挙げられるのが、「車両ごとの登坂能力を把握していない」ということ、運転席でニュートラルのまま運転して転倒してしまったなど安全対策が不十分なことなどがあります。
技能講習を通して、安全対策を受講するかと思いますが、まずは運転する車両ごとの能力を把握するよう努めてみると良いかと思います。
下の記事は、その車両ごとの「登坂能力(登れる勾配角度)」が分かるようになっているので活用してみてください。
不整地運搬車のオペレーターになるには
最大積載量1トン以上の不整地運搬車の運転作業に従事する方は、労働安全衛生法に基づく運転技能講習を修了しなければならないことが義務づけられています。
この大きなサイズになると長さ5900×幅2980×高さ3200にて16トンぐらいの重さになります。
大事なところで1トン未満なら特別教育の講習だけで、運転が出来ます。
1トン以上であれば技能講習試験が必要です。
次のページで紹介するのはこの不整地運搬車の取得出来る技能講習ですが、その講習時間についてまとめていきたいと思います。その取得するメリットとは?
不整地運搬車/技能講習の時間
特に、必要な資格はありませんが、保有している資格によって講習の時間が変わってきます。
では、どのような資格によって講習時間が変わるのか解説していきます。
11時間で技能講習を受講するには
下記の資格のうち、1つ有れば11時間の資格講習時間で受験出来ます。
- 大型特殊免許所有者
- 車両系建設機械(整地等)(解体用)運転技能講習修了者
- 普通、準中型、中型、大型運転免許を保有し小型車両系建設機械(整地等)(解体用)又は、小型不整地運搬車のいずれかの特別教育修了後、業務経験が3ヶ月以上ある方
- 建設機械施工技士1級・2級の第2種から第6種合格者
15時間で技能講習を受講するには
- 15時間 小型車両系建設機械(整地等)(解体用)又は、小型不整地運搬車のいずれかの特別教育修了後、業務経験が6ヶ月以上ある方。
31時間で技能講習を受講するには
35時間 上記のいずれにも該当しない方
つまり未経験者でも35時間の講習を受ければ取得可能になります。
補足:林業機械の資格フォワーダー
木材積み込みの林業用の機械(フォワダーという機械です)を見たことがあるのではないかと思います。
実は、この重機を取り扱う場合、大型免許や大型特殊免許を取得しただけでは、公道を走れても操作することができません。
また、今回紹介したクローラダンプの資格でも操縦することができません。
では、どのような資格が必要となるのか解説していきます。
林業機械のフォワダー講習内容・資格取得する方法
「走行集材機械」 (フォワーダー・集材車・集材用トラクターなど)という内容で規定されており、特別教育を受講しないといけません。
つまり、事業主はこの作業を行わせるときには特別教育を実施する必要があるのです。
フォワダー運転の講習内容
学科の受講内容は主に
- 走行集材機械に関する知識走行集材機械の走行
- 作業に関する装置の行動
- 取り扱いの方法に関する知識
を、合計6時間の講習時間で実施されます。
実技の受講内容は主に
- 走行集材機械の走行操作
- 走行集材機械の作業のための装置操作
を、合計6時間実施されます。
この特別教育は車両系木材伐出機械等の運転経験6ケ月以上ある方を対象に実施されています。
フォワダーを扱う、林業に関する作業内容については以下の内容にまとめているので、是非どのような作業を行うのかチェックしてみてください。
まとめ
今回は、不整地運搬車とはどのような車両か、またその資格内容について解説していきました。
まとめますと、
- 不整地運搬車とは現場での悪路でも作業することができる建設機械
- クローラダンプは、小型のものが多いがオフロードダンプとなると大型になる
- 主に現場で使用するので免許など必要がないが、企業によっては独自の資格を取得するよう定めているところもある
- 車両重量1トン未満では特別教育、1トン以上では技能講習を受講する必要がある
- 保有している資格によって受講時間が異なる
ですね。
不整地運搬車の資格は経験なくても取得可能です。
その中で重要なのは機械を体重計に載せたときに1トン以上か未満かで受講する内容が変わります。
更に、林業に関わるクレーン付きやカニバサミがついてるものを動かしたい人は、追加で資格を取得する必要があります。
林業では動力を用い不特定の場所に自走できる林業機械も多く、伐木、造材、集材等の作業がおこなわれております。
しかし、同時に死亡災害を含む労働災害が発生していることも事実です。