この記事では、高所作業車技能講習で資格取得方法と様々な高所作業車について解説していきたいと思います。また、10m以上未満で講習の内容がどのように変わるのか、また高所作業車の特徴やその用途なども合わせて解説していきたいと思います。
高所作業車は電柱の工事や高いところの電気工事業務等で見かけるけど、どんな資格がいるのかな?と、高所作業車を扱うにあたってどんな資格がいるのか、操縦するのと運転するのでは資格が違うのかなど明確にはよく分からないことが多いのではないでしょうか。
そこで、今回は高所作業車の資格取得の条件や種類などを解説していきたいと思います。
私も技能講習を受講しておりますので、よく高所作業は自分で運転していました。
このブログは他にもこのようなことがまとめてあります。合わせて気になる記事を確認してみてください。全体を確認するにはこちら
高所作業車とはどのような機械?
高所作業車は消防や電気工事で見かけることがたくさんある、結構身近な乗り物です。
クレーンのような構造になっており、下で操縦する人がカゴを操作し、カゴに乗っている人が高いところで作業をします。
はしごを使っても届かないような高い場所などで活躍する乗り物です。
この高所作業車ですが、実は種類が沢山あります。
様々な種類の高所作業者については、後ほど解説していきます。
私も技能講習を取得して高いところから下を覗いて楽しい体験を何回かしました。
自衛隊でも活用されています人命救助にも使われており優れものです。
特に、トラック型の高所作業車は人気です。
操作は、運転する人が乗るバケット(箱)に操作レバーがありますが、高いところでもし、操作が出来なくなった場合にはトラックの後方部でも操作出来ます。
高所作業車のゴンドラ(カゴ)に乗る人は資格が必要なのか?
バケットに乗ってる人が無資格でも大丈夫ということです。
下で操作する人が運転(技能講習か特別教育受講)して操作出来れば問題ないのです。
ただ、高所作業で目新しい重大事故はこちらですね。かなり危険な乗り物です
高所作業車を最大伸ばすしたら?
日本で現状一番高い高さまで伸ばして使える機械は「 ブロント スカイリフト S56XR(大型高所作業車54m)」になります。
通常は一般的なもので10mぐらいまで伸び縮みします。
簡単な高所作業車の動きですが、当然上下伸び縮みしますが、バケットも左右に動きます。
伸びて高いところに近づいて更に寄せることができる仕組みです。バケット内での操作方法
先述したように、下でもバケットやアームを伸ばす操作などができますが、バケット内でも操作することが可能です。
バケットの中の操作パネルはこのような配置になっています。
この黒い操作レバーで伸び縮みさせていきます。
また、何かあった場合の赤の緊急停止装置があります。押すと車のエンジンが止まります。
ただ、目標物に近づいてエンジン付けぱなしでは、エコじゃないので一時的にアイドリングストップさせる機能もあります。
慣れてくると、操作盤のレバーを両手で複合操作をすることができるようになります。
ただ、操作盤のレバーを急激に動かして、荷物を積んでる場合などカゴの重みがあるときなどは転倒してしまう危険性があります。
カゴの荷重と対象物との距離を考えながら慎重に操作をする技術も問われる乗り物です。
高所作業車で一番重要なアウトリガー
そうした転倒リスクを少しでも減らすべく活用するのが「アウトリガー」です。
高所作業車は高く上がれば上がるほど、車が転倒する可能性があるので、車からタイヤ以外に踏ん張るための足を出します。
この踏ん張るための足が「アウトリガー」です。
しかし、アウトリガーは左右に踏ん張る力がありますが、前後は踏ん張る力が弱く転倒しやすいというデメリットがあるのも事実です。
様々な高所作業車を紹介
次に、様々な高所作業車を紹介していきたいと思います。
一般的な高所作業車で、ポピュラーな型です。
使用頻度も大きく、バケットに1人ないし2名で乗るようになります。
様々な用途で使われており看板設置、電気通信工事、建築土木工事等用途は様々です。
スカイマスター12mクラス
大人数でトンネルの点検等ができる高所作業車です。
50キロの体重の方であれば20人乗ることができます。
実際は道具や交換する部材を乗せて、5人ほどの人数で作業を行ったり、足元が広くないと出来ない作業に使用します。
スカイデッキ(最大高さ19.5m)
主に、高速道路の下を確認できるような高所作業車です。
足場を組まずに手軽に確認が出来る優れものです。
今はこちらが点検ではポピュラーで、夜間に高速道路で見かけることがあります。
橋梁点検作業車:ブリッジマスター
こちらは鉄道の上の架線のチェックに使用する高所作業車です。
カゴが長く設計されているので、足場が組めない橋梁点検等の作業で活躍することができます。
この記事では、橋梁架設工事に必要な作業資格である「鋼橋架設作業主任者」の資格の取得方法と、橋梁工事の橋の架設方法を解説していきます。毎日、どこかで利用している橋ですが橋の施工は、「架設工事」といわれて専門的職種の知恵と土木[…]
レールの上を走れる高所作業車
特に、線路内に車を入れるのは、時間かかることが難点とされてきました。
しかし、この高所作業車は、電車と同じ車輪がついていて、レールの上を結構なスピードで走れます。
主に線路上で作業をする場合に使用される高所作業車です。
この記事では、一般的な建設業ではあまり触れられないJR工事管理者・線閉責任者の電鉄資格で鉄道工事の責任者について解説していきます。また、鉄道工事で必須の資格について合わせて解説していきたいと思います。JR工事に携わるには施[…]
高所作業車無資格による労働災害事例
高所作業者無資格が引き起こした事故の事例については下記のとおりです。
奈良労働基準監督署は、切り落とした枝がこめかみに当たり労働者が死亡した労働災害で、㈱若林造園(奈良県生駒郡平群町)と同社の代表取締役を労働安全衛生法第61条(就業制限)違反の疑いで奈良地検に書類送検した。
同社は造園業を営んでいる。労働災害は平成31年2月16日に、奈良県生駒郡の道路上で起きた。同社の労働者が高所作業車を無資格で運転し、高所作業車の上で立木の伐採作業をしていたところ、切り落とした枝が地上で跳ね、
地上で枝を集める作業していた別の労働者のこめかみに当たった。労働者は意識を失い、救急搬送されたが、2月21日に死亡が確認された。死因は急性硬膜外血腫だった。労働安全衛生法は、資格者以外が高所作業車の業務に就くことを禁止している。しかし、同社には資格を持っている労働者はいなかったという。
【令和元年6月10日送検】
労働災新聞社引用
高所作業車のカゴに乗るだけの人は無資格でも乗ることができますが、操縦する場合は資格を有する車両です。
そのため、当然無資格で操縦するのは法律違反にあたり、事業を停止されてしまう措置に繋がる恐れがあります。
なので、資格を有する人が操縦をし、周りの安全確認に努めながら作業をするように心がけましょう。
高所作業車技能講習取得の方法とは
以上、高所作業車の特長など解説していきましたが、そんな車両を操縦する資格を取得する方法について解説していきます。
10m以上まで高さをあげれる機械【以上】と10m未満【未満】で資格が変わります。
10m未満だと特別教育になります。
10m以上まで高さを伸ばしたい場合には技能講習を受講終了をする必要があります。
作業床高さ10m以上の高所作業車の運転作業に従事する方は、労働安全衛生法に基づく運転技能講習を修了しなければならないことが義務づけられています。
取得するには、現在保有している資格及び業務経験によって講習時間が変わります。
高所作業車技能講習を12時間で取得
12時間の講習を受けるには、どちらかの資格を保有していることが必須となります。
- 移動式クレーン運転士免許所有者
- 小型移動式クレーン運転技能講習修了者
移動式クレーン及び小型クレーン運転士免許を所有する方法については、以下の記事にまとめてあるので是非合わせて読んでみてください。
この記事では、移動式クレーンを操作する場合の資格や講習の内容を解説していきたいと思います。また、クレーンそれぞれの定格荷重についても合わせて解説していきたいと思います。皆さんは、クレーンを操作する場合もちろん資格が[…]
高所作業車技能講習を14時間で取得
14時間講習を受けるには、いずれかの資格を保有していることが必須となります。
資格が無いけど高所作業車を資格取得
- 上記のいずれにも該当しない方
経験がなくても17時間講習を受ければ取得可能ということです。
まとめ
今回は、高所作業車の特長とその技能講習について解説していきました。
まとめますと、
- 高所作業車ははしごや足場がかけられない場所において柔軟に対応ができる車両
- 乗るだけなら資格は不要だが、操作するとなると資格が必要となる
- 資格を取得する技能講習は保有している資格によってその受講時間は異なる
- 高所作業車の技能講習を受講しておくだけでも仕事の幅が広がる
ですね。
高所作業車は使う場所や業種によって機械が様々です。ただ、高さ10mを超える場合と未満で資格が違います。
高さも10m程度が一般的な高さですが、高く伸ばせるもので30mとか50mのようなものあります。
経験がなくても取得可能ですので、取得可能であればスキルもアップしますので、是非取得してみてはどうでしょうか?