この記事では、足場組立作業主任者という資格について解説していきたいと思います。また、その技能講習の内容と足場組立に関する特別教育の内容についても合わせて解説していきたいと思います。
足場の組立て等作業主任者ってどんな資格なんだろう?鳶職人や足場工事をする人が取る資格なのかな?
足場組立作業主任者技能講習を希望する方々にとって、年齢条件や実務経験など、様々な要件が必要とされます。受講者は満21歳以上であり、かつ当該の作業に3年以上従事している必要があります。
これらの条件を満たすことで、安全かつ効率的な足場作業をリードするためのスキルや知識を身につけ、資格取得に向けて一歩近づくことができます。
特別教育講習では、足場関連業務に従事する労働者を対象に、安全性や健康管理に関する知識を習得する機会が提供されます。足場作業のプロフェッショナルを目指す方々にとって、この情報が役立つこと間違いありません。
建設業で人気の「足場組立作業」ってどんなことするの?

足場の種類や組み立てにはいろいろなものがありますので、それぞれ解説していきたいと思います。
その足場を組み立てる種類によって、使う用途や使う部材も変わってきます。
足場の種類はこちら
足場の種類は、
- マンション等の高い場所で使う枠組み足場
- 住宅等の低層住宅で使用するクサビ足場
- 橋や橋梁等で使う吊り足場
等があります。
以前は、足場を作る際、木材(丸太)を番線で縛る足場がたくさんありましたが、やはり丸太を鉄線で縛るため、強度が人によって違うことから現在は鉄製の鋼製足場がほとんどです。
現在主流となっている鋼製足場は、単管パイプやクランプを利用して建物の形状に合った形で組み立てていき、施工に応じて枠組みやクサビ式足場を組み立てていきます。
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足場組立:倒壊事故はあるの?
足場組立は、その組立がしっかりできていないと台風等で足場が崩壊するケースもあります。
建設業では足場からの墜落転落による労働災害や死亡災害が起きたニュースを見ることがあるのではないかと思います。
このような災害を起こさないためにも、適切な足場の組み方や作業の方法を知らないといけません。
そのため、次に紹介する足場の資格を取得する必要があるのです。
足場の組立て等作業主任者技能講習資格取得に方法

つり足場(ゴンドラのつり足場を除く)、張出し足場又は高さが5メートル以上の構造の足場の組立て、解体又は変更の作業を行うには、事業主は足場の組立て等作業主任者技能講習を修了した者を作業主任者としはて選任し、その者の指揮のもとに作業を行わせなければなりません。
ここで重要となるポイントは、5メートル以上の足場の高さの場合には専門の人を設けないとならない、ということです。
足場の組立て等作業主任者の資格を取得するには学科の講習を受けることが必要になります。その講習には決められた時間があり計2日で行われます。最後にはテストもあります。
詳しくは次に解説していきます。
足場の組立て等作業主任者技能講習受講内容について
- 作業方法に関する知識7時間
- 工事用の設備や機械器具、作業環境等に関する知識3時間
- 作業者に対する教育等に関する知識1.5時間
- 関係法令1.5時間
- 最後に学科試験確認テストが1時間あります。
保有する資格によっては一部講習の時間の免除もあります。
受講資格は、鳶技能士や職業訓練指導員の免許を保有している人が対象の人は受講が緩和されますが、ほとんどの人は以下の条件に当てはまるかと思います。
- 満21歳以上で、足場作業に3年以上従事した経験を有する者
- 満20歳以上で、大学、高専、高校、中学において土木、建築又は造船に関する学科を専攻した者で、その後2年以上足場作業に従事した経験を有するもの
以上の条件に当てはまる人が足場の作業主任者の受講の条件になります。
足場の組立て等作業主任者技能講習:役割と資格の内容について
職長と作業主任者は関わる業務の内容が違います。
作業主任者は元請や事業主がその作業に対して任命しないとならない国家資格です。
そして作業主任者は以下の3つの任務があります。
- 作業方法を決定し作業を直接指揮すること
- 材料の欠点の有無、器具工具の点検不良品を取り除くこと
- 作業中、安全帯の使用及び保護具の使用状況を監視すること
技能講習を取得するメリット
自分の成長過程で作業資格や技能講習を受けた後は、「取得した資格に見合った仕事を行う」「日常業務で活かす」「他者への指導・支援」など意識的な行動が求められます。しっかりと目標を設定し、効果的にスキルアップへつなげていくことが肝要ですね
自身のスキルアップは単なるキャリア形成だけでなく、個人や企業全体の競争力向上に欠かせない要素です。作業資格や技能講習を通じて身につけたスキルは、将来へつながる投資でもあります。私も様々な作業主任者や重機関連の資格を取りましたがこれは今、役に立ってますね
今後取得するならこういう資格を目指すのもいいですね。
業種別職人から施工管理へ現場で役立つ資格をまとめ
私も施工管理になる前は現場職人でした。土木系なのでやはり土木施工管理技士を取得しましたね。良ければチェックしてみてください
土木系 | 土木施工管理技士 | ||
建築系 | 建築施工管理技士 | 建築士 | |
電気系・設備系 | 管工事施工管理技士 | 電気施工管理技士 | 電気通信施工管理技士 |
給水装置工事主任技術者 | 2級ボイラー技士 | 消防設備士四類 |
この記事にまとめている技能講習一覧
技能講習一覧をまとめたこの記事についてご紹介いたします。技能講習は、労働現場において特定の作業を行う際に必要なスキルや知識を習得するための重要な取り組みであり、安全性と生産性の向上に貢献します。この一覧には、様々な職種における技能講習が含まれており、それぞれの分野で必要とされるスキルや手法を網羅しています。
まず、建設業界における高所作業や重機操作などの技能講習が挙げられます。これらの講習は、安全意識を高め労働災害を防止することを目的としています。また、製造業ではフォークリフト操作や化学物質取り扱いなど、特定の作業に必要な技術や扱い方を身につけるための講習があります。
技能講習 早見表 | |
木材加工用機械 | フォークリフト |
プレス機械 | 不整地運搬車 |
乾燥設備 | 高所作業車 |
コンクリート破碎器 | ショベルローダー |
地山の掘削 | 小型移動式クレーン |
地山の掘削および土止め | 床上操作式クレーン |
土止め支保工 | 車両系(解体用) |
ずい道(掘削) | 車両系(基礎工事) |
ずい道(覆工) | 車両系(整地) |
採石 | 玉掛け |
はい作業 | ボイラー取扱 |
船内荷役 | ボイラー据付け |
型枠支保工 | 鋼橋架設 |
コンクリート解体 | コンクリート橋架設 |
足場組立て | 鉄骨組立て |
鉛 | 木造建築物組立て |
特定化学物質 | 酸素欠乏・硫化水素 |
四アルキル鉛 | 酸素欠乏 |
特定化学物質および四アルキル鉛 | 普通圧力 |
有機溶剤 | 化学圧力 |
ガス溶接 | 石綿 |
オンデマンドで受講が出来る特別教育・安全教育はこちら
オンデマンド講習 資格取得 | 講習の解説を 詳しく説明 | オンデマンド講習 資格取得 | 講習の解説を 詳しく説明 |
職長安全衛生教育 | 解説! | 低圧電気取扱者特別教育 | |
足場の組立等特別教育 | 解説! | 玉掛け特別教育 | 解説! |
フォークリフトの運転の業務に係る特別教育 | 解説 | チェーンソーによる伐木等特別教育 | 解説! |
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振動工具取扱作業者安全衛生教育 | 解説! | 自由研削といしの取替え等業務特別教育 | 解説! |
フルハーネス型墜落制止用器具特別教育 | 解説! | コンクリートポンプ車特別教育 | 解説! |
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足場の組立て等作業主任者:送検労災事
実際にあった足場組立作業主任者を任命しなかったことで起きた事例を紹介したいと思います。
兵庫・伊丹労働基準監督署は、作業主任者を選定せず吊り足場の解体作業をさせたとして、土木工事業の㈲YAMATO(大阪府堺市)と同社代表取締役を労働安全衛生法第14条(作業主任者)違反の疑いで神戸地検に書類送検した。
平成28年10月、同社は兵庫県川辺郡における高速道路の高架橋の工事現場で、足場組立て等作業主任者を選任せず、吊り足場を解体していた。同社労働者が足場の側面にある防護棚を外すための玉掛け作業を行っていたところ、防護棚が外側に曲がり20メートル下の土手に墜落し死亡する労働災害が発生している。
作業主任者を選定しなかった理由として、同社は「作業当初にいた作業主任者がいなくなった後、選任することを怠っていた」としている。
【平成29年3月22日送検】
労働新聞社引用
このように作業主任者を選任しなかったことで重大な労働災害が発生してしまったことが分かります。
怠ったとはいえ、現場に作業指揮者者がいないまま作業を進めるのは大変危険なことです。
選任しなかった責任は、企業側が責任を被ることになり、業務を停止しなければならないこともあるので、作業をする場合は必ず作業主任者を選任するようにしましょう。
では次に足場組立特別教育は次でまとめてみました。作業主任者との違いは何なのか?を合わせてチェックしてみてください。
足場の組立て等特別教育とは?現場で必須安全講習

平成27年7月1日に改定された新たな特別教育は、足場からの墜落転落や労災事故を減らすため足場作業に関わる人は必ず受講をしないとならない特別教育になります。
足場組立作業の指揮命令をするのが作業主任者です。
特別教育は安全衛生法第59条に基づき事業主が作業に従事する人に教育をしないといけない内容です。
足場の高さに関係なく、足場の組立、 解体又は変更の作業に係わる業務(地上又は堅固な床上における 補助作業は除く)に携わる作業者に求められるのです。
ちなみに足場の組み立て解体には特別教育が必要ですが、地上での作業ということで材料の運びで足場へ登らない場合には資格は不要になります。
足場の組立て等特別教育と足場の種類
足場に関わるものなので枠組足場、張り出し足場、クサビ足場はやはり必要になります。
ローリングタワーでも同じく特別教育は必要です。
特別教育は脚立やはしごの姿をする作業には受講する必要はありません。
ただし、脚立を二台立てて板を渡す場合には、脚立足場となるので特別教育の受講は必要になります。
厳密には脚立ではなく、ウマ足場というものですね。
足場の組立て等特別教育:受講方法について
受講に関して受講資格は、18歳未満でも受講は可能ですが、実際には足場の上に18歳未満を登らす事は労働基準法で定められている内容では作業を行わす事はできません。
足場の講習は特に制限はなく誰でも受講が可能になります。
受講時間は、経験者と未経験者で講習時間が変わります。平成27年7月以前で足場の作業を携わっていた方は3時間の講習時間となります.
全くの未経験者は6時間の受講資格になります。
足場の組み立て等作業主任者の資格を既に持っている方はこの特別教育の受講は不要です。
足場の組立て等特別教育未受講で労災
続いても実際にあった事例を紹介します。
高知・安芸労働基準監督署は、足場組立てに関する特別教育をしていなかったとして、建設業の㈱石川建工(高知県高知市)と同社取締役現場責任者を労働安全衛生法第59条(安全衛生教育)違反の疑いで高知地検に書類送検した。
平成29年9月、高知県香南市の体育館で吊り天井の改修工事をしていたところ、足場の組立て作業に従事していた関係請負事業者の労働者(21歳男性)が墜落、死亡する労働災害が発生した。同社は、安衛法で義務付けられている足場の組立て作業に関する特別教育を実施していなかった。
また、実態として被災者を派遣労働者として使用していたと認められたため、労働者派遣法第45条(労働安全衛生法の適用に関する特例等)にも違反していたとした。
【平成30年5月29日送検】
労働新聞社引用
特別教育を受講していない人を作業に当たらせるのは、全くの未経験の人を危険な現場で作業させるということです。
そのような状況がどれだけ危険なことなのか現場で作業に当たっている人には分かることかと思います。
必ず作業に当たる作業に関わる人は、特別教育を受講させるようにしましょう。
まとめ
今回は足場組立作業主任者とその足場組立作業をする場合の特別教育について解説していきました。
まとめますと、
- 足場組立作業主任者とは、足場組立作業をする際に現場の安全管理などを行う資格
- 受講資格があるため、未経験の人では受講することができない
- 足場組立作業に関わる人は、特別教育を受講しなければならない
- 特別教育を受講しただけでは、作業主任者になることができない
ですね。
足場の組み立て作業主任者の資格があれば鳶職人として作業指揮者として活躍できます。
その中で作業を指揮するには経験と知識が必要です。
足場の資格は「適切な足場の組み方や作業の方法を知らないといけないため」に受講する必要があるとされています。