この記事では、コンクリート破砕器作業主任者という資格について解説していきます。
また、「解体工事施工技士」についても合わせて解説していきたいと思います。
解体工事となると、様々な技能資格や建設車両資格などが必要となります。
「労働安全衛生法に基づくコンクリート破砕作業主任者とは?」
コンクリート破砕器作業主任者は、労働安全衛生法に定められた作業主任者のひとつであり、コンクリート破砕器作業主任者技能講習を修了した者の中から事業者により選任される。
しかし実際には、主任者となるための技能講習を修了した者すなわち資格取得者のこと、あるいは資格そのものを指して呼ばれることもある。
引用:ウィキペディア
つまり、主任者となるための技能講習を受けることでコンクリート破砕器作業主任者になることができるということです。
ただ、実際に主任者として作業するには事業者から選任されることでできるようになります。
コンクリート破砕器の専門知識を解説
主な仕事内容は、ビルの取り壊しや改築時などにコンクリート破砕器を用いて作業をします。
そもそも、建設予定地にあった建築物は壊さなければ新しい建築物を建設することはできません。
そのため、既存の建築物を取り壊す必要があります。
ですが、安易に解体作業をすることは大変危険を伴いますし、間違った解体方法をしてしまうと近隣に建築物があった場合に巻き添えをしてしまい、二次災害を引き起こす可能性があります。
コンクリート破砕機に関してはもうすぐ説明入れますので、しばし
そこで、正しくコンクリート破砕器で作業をするために資格を有することが必要であるということです。
コンクリート破砕作業主任者の業務内容としては
コンクリート破砕作業主任者として、解体工事をすることはもちろんのこと、周りの環境整備といった解体に関わる安全管理も仕事内容に含まれます。
他にも、コンクリート破砕器を使用する作業者の安全管理や監督などコンクリート破砕器に関わる業務を一手に担います。
現在ほとんど使われていない技術:コンクリート破砕器の解説
そもそもコンクリート破砕器とは、
火薬をプラスチック製容器に充填した構造であり、専用の点火具で起爆させることで用いる。
実際に現場で使用するには「コンクリート破砕器作業主任者」の資格が必須であり、発破技士や火薬類取扱保安責任者の資格で使用することはできない。(ただし、発破技士や火薬類取扱保安責任者等の有資格者はコンクリート破砕器作業主任者資格取得講習の科目の一部免除がなされる。
といった作業となっています。
以前はコンクリート破砕作業を爆薬や火薬を使用して解体していたことが主流でした。
しかし、コンクリート破砕器という火工品重機を用いるのでコンクリート破砕する際に破片が飛び散りにくく、爆薬や火薬といったものより安全に作業を進められるようになりました。
しかし、今はまったくというぐらいに使われていません。
今後需要がなくなるってホント?
実は、このコンクリート破砕器自体をメーカー自体が平成22年7月をもって製造を中止しており、今後も製造されることはないと発表をしています。
また、それに伴いコンクリート破砕作業主任者の技能講習も平成23年1月13日で終了しています。
この背景には、2000年代初頭に油圧重機が続々を発売され、使用されてきたことにより、火薬を使わず安全に解体作業ができるとコンクリート破砕器の使用頻度がどんどんと減っていったことが挙げられます。
講座も専用重機も今はなくなりつつあるものなので、将来性のない資格ではないかと筆者は思います。
今は、マニアック資格:ユンボ/バックホーの車両系建設機械解体用の資格を取得する方法について解説! こちらのバックホー併用での解体がもう主流ですね。
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コンクリート破砕器作業主任者技能講習の重要性と受講条件
では、コンクリート破砕作業主任者の技能講習について解説していきます。
技能講習が行われてたのは『社団法人 東京都火薬類保安協会』となります。
先述したように、現在はコンクリート破砕作業主任者の講習は行われていません。
コンクリート破砕器作業主任者受講資格
受講資格は以下の通りになります。
- コンクリート破砕器を用いて行う破砕の作業に2年以上従事した経験を有する者
- 大学、高専、高校に於いて、応用化学・採鉱・土木に関する学科を専攻して卒業し、コン砕作業に1年以上従事した経験を有する者
- 発破技士免許を受けた者で、コン砕作業に1年以上従事した経験を有する者
- 鉱山保安法の保安技術職員国家試験規則の甲種坑外、丁種坑外、甲・乙・丁種坑内保安係員、甲・乙種発破係員試験に合格した者
- 火薬類取締法の甲・乙製造、甲・乙取扱保安責任者免状所持者
- 鉱山保安法の保安技術職員国家試験規則の甲・乙・丁種上級保安技術職員試験に合格した者
コンクリート破砕器作業主任者受講内容
受講内容は以下の通りのなります。
資格講習についてはおよそ1日で終わります。
- 火薬類に関する知識
- コンクリート破砕器の取扱いに関する知識
- コンクリート破砕器を用いて行う破砕の方法に関する知識
- 作業者に対する教育等に関する知識
- 関係法令
- 修了考査
コンクリート破砕作業主任者の一部免除資格
コンクリート破砕作業主任者の技能講習を受ける場合、講習内容を一部免除してくれる受講資格があります。
受講資格にある、
- 発破技士免許を受けた者で、コン砕作業に1年以上従事した経験を有する者
- 鉱山保安法の保安技術職員国家試験規則の甲種坑外、丁種坑外、甲・乙・丁種坑内保安係員、甲・乙種発破係員試験に合格した者
- 火薬類取締法の甲・乙製造、甲・乙取扱保安責任者免状所持者
- 鉱山保安法の保安技術職員国家試験規則の甲・乙・丁種上級保安技術職員試験に合格した者
は、受講内容の
- 火薬類に関する知識
- コンクリート破砕器の取扱いに関する知識
については、免除されています。
また、修了試験の内容において、
- 作業者に対する教育等に関する知識
- 関係法令
のみ、修了試験があり、「コンクリート破砕器を用いて行う破砕の方法に関する知識」については講習のみとなります。って感じですが、もう講習はやってないんですが・・・
つぎに、解体工事施工技士についてまとめていきたいと思います。その内容受験方法を合わせて説明していきたいと思います。
新しい時代の解体工事施工技士に求められるスキル
先述したようにコンクリート破砕作業主任者の技能講習は平成23年をもって終了しています。
そこで、解体工事に従事する資格として取得しておきたい「解体工事施工技士」について解説していきます。
解体工事施工技士とは何か?その重要性に迫る
国土交通省管轄の国家資格で、 500万未満の軽微な解体工事を行うための解体工事業の登録及び施工に必要な技術管理者になることができる資格です。
解体工事施工技士になるには実務経験が必要で、解体工事の現場で仕事をしていなければなりません。指定されている学科を卒業している人と、そうでない人では若干実務経験年数が変わってきますが、短くても1年半、長い人は8年の実務経験を積まなければなりません。
この実務経験をクリアして、ようやく資格試験に挑戦することが出来ます。試験はテスト形式となり、合格して登録することができれば、請負金額500万円未満の解体工事を受けられるようになり、簡易な工事であれば業として行うことが可能となります。
引用:解体工事の技術資格一覧・解体工事施工技士とは
つまり、500万未満の解体工事を行う場合に作業を受けられる資格となります。
解体工事ビジネスを始める前に知っておきたいこと
解体工事を行う際には金額に関わらず以下のものを必ず提出するようになっています。
- 解体工事業登録
- 建設業許可(500万円以上の場合)
注意していただきたいのが、この解体施工技士の資格を取っているだけでは解体工事を請け負うことができないということは注意しておきましょう。
解体工事登録とは?
解体工事登録を受けるには、以下の指定した資格を保有している人を選任することで受けられるようになります。
- 1級/2級建築士
- 1級/2級建築機械施工技士
- 1級/2級土木施工管理技士
- 1級/2級建築施工管理技士
- 1級/2級とび・とび工
- 解体施工技士
また、他にも重機を扱う資格や作業主任者資格を保有していることで解体工事を実施することができるようになります。
解体施工技士への道:必要なステップとは?
先述したように、実務経験を積むことと、資格試験に合格することで解体技士になることができます。他にも解体工事をする際に知っておきたい知識など、様々な知識や経験を有する資格となります。
解体工事には圧砕・切断・転倒などといった爆薬や火薬を使用しない方法が主流となってきています。そのため、今まで以上に様々な解体方法や建築機械の取り扱い方などを知っておかなければなりません。
以下の記事では、解体工事をするときに知っておきたいことをまとめてありますので是非合わせて読んでみてください。
知識と技術が問われる 解体施工技士試験概要
受験資格
解体工事の実務経験が一定年数以上必要です。
※解体工事の実務経験が8年未満の方⇒卒業証明書が必要(受験資格:イ・ロ・ハ)
※解体工事の実務経験が8年以上の方⇒卒業証明書は不要(受験資格:ニ)
学歴 | 必要な解体工事の実務経験年数(指定学科) | 必要な解体工事の実務経験年数(指定学科以外) | |
---|---|---|---|
イ | 大学専門学校(4年制)「高度専門士」 | 卒業後1年6ヶ月以上 | 卒業後2年6ヶ月以上 |
ロ | 短期大学高等専門学校(5年制)専門学校(2年制又は3年制)「専門士」 | 卒業後2年6ヶ月以上 | 卒業後3年6ヶ月以上 |
ハ | 高等学校中等教育学校(中高一貫6年)専門学校(1年制) | 卒業後3年6ヶ月以上 | 卒業後5年6ヶ月以上 |
二 | その他 | 8年以上 |
※ 高等学校の指定学科以外を卒業した者には、高等学校卒業程度認定試験規則(平成17年文部科学省令第1号)による試験、旧大学入学資格検定規程(昭和26年文部省令第13号)による検定試験に合格した者を含む。
注意:①「指定学科」は国土交通省令(施工技術検定規則〈土木施工管理・建築施工管理〉)に規定する学科です。
注意:②「実務経験」は解体工事に関するものに限ります。
受験内容
- 土木・建築の基礎知識
- 解体工事施工の計画
- 解体工事施工管理
- 解体工法
- 解体用機器
- 安全管理
- 環境保全
- 副産物・廃棄物対策
- 関連法規その他
まとめ
今回は、マニアックなコンクリート破砕作業主任者と解体施工技士について解説していきました。
まとめますと、
- コンクリート破砕作業主任者とは、コンクリート破砕器を使って解体作業を行う資格である
- 現在は、コンクリート破砕器も資格講習も実施されていない
- 解体施工技士の資格では、事業者が解体技士を選任して解体工事登録を提出すれば500万以下の解体工事を担うことができる
- それ以上は、建設業許可を提出しなければならない
ですね。
建設業は重機を動かして、作ることがよく注目されがちですが、解体工事があってこそ成り立つ建設作業なので、解体工事も同等以上の重要さがあります。
解体することは、構造物をしっかり吟味してより安全に効率よく解体をすることが求められる作業なので、とてもロマンがある工事だといえます。
是非、解体工事がどのようにされているのか考えてみると良いかもしれませんね。