建築現場において欠かせない存在として重要なポジションを占める鉄筋工に焦点を当てた本記事では、鉄筋工の魅力やキャリア形成に必要な資格取得について探究していきます。
鉄筋工は建物の骨組みを支え、強度や耐久性を確保する役割を果たしており、その専門知識と技術は業界内で高い評価を受けています。鉄筋工としてのスキルや知識を向上させ、将来的なキャリアアップを図るためには、資格取得が不可欠です。
本稿では、鉄筋工に必要な資格取得のメリットや取得方法について詳しく解説します。
鉄筋屋の給与や収入はどれぐらいか?

令和2年国勢調査の結果を元に作成された就業者統計データによると、全国の就業者数は28,990人です。このデータは都道府県ごとにも別途表示されており、各地域ごとの具体的な数値が確認できます。
また、労働時間に関する情報は、令和5年賃金構造基本統計調査から加工されたデータによると、全国平均で1年間に175時間働いています。同様に賃金(年収)についても同調査からのデータをもとに作成されており、全国平均年収は460.1万円です。
さらに、年齢に関するデータも同じく令和5年賃金構造基本統計調査からの加工データを使用し、全国平均年齢は42.3歳であることが示されています。
経験1〜2年目で必要な鉄筋屋が取得すべき資格とは?

鉄筋工として、玉掛け技能講習を取得していることがポイントですが第一の通過点になります。
現場では必ずモノの搬入や荷揚げをクレーンで実施します。必ず必要になりますね。
鉄筋屋に必要な業務は、大きく分けて以下のようになります。鉄筋工事は、ほとんどを置き場やストックヤードで加工して現場へ搬入してから、図面通りに組み立て行います。そのため、運搬にはユニック車(積載型トラッククレーン)で現場に持ち込みます。
運転や玉掛の作業など特別教育や技能講習を受講させることで作業を行うことが可能です。
足場組立の特別教育や技能講習も重要ですので、チェックしておくことをお勧めします。その他業務としては、配筋図作成や読解、鉄筋の加工・運搬、足場や構台の架設・復旧などが挙げられます。また、作業工程管理業務や各種揚重運搬機械の運転、玉掛作業なども重要です。最後に、安全衛生作業も不可欠です。
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経験3年〜5年目で必要な鉄筋屋が取得すべき資格とは?

職長又は班長として 3年目から5年目になると現場のリーダーになり、自分で現場を動かして行きます。
その為、職長安全衛生責任者の受講するのがおススメ!
さらに現場で元請から信頼され給与アップには必須!鉄筋技能士の合格を目指す!
1級鉄筋施工技能士(組立て、または施工図)
1級鉄筋施工技能士は、鉄筋組立てまたは施工図の分野において高度な技能を有する専門家として位置づけられます。この資格は、鉄筋の加工や取り扱い、図面作成などの業務において優れた能力を持つことを証明するものです。
「鉄筋施工技能士」の学科試験
鉄筋施工管理技士の学科試験は、1・2級は50問、3級は30問あります。
出題される内容として建築構造、施工法、材料、建築設計図、関係法規、安全衛生から出題されます。学科試験は100点満点で65点以上で合格となります。
「鉄筋施工技能士」の実技試験
技能検定の実技試験には、製作等作業試験と判断等試験、計画立案等作業試験がありますが、鉄筋施工技能士は製作等作業試験が実施されます。
実技試験は、制限時間内に時間内に課題に対して実際に組み上げして100点満点で60点以上で合格となります
曲げ加工した鉄筋を使用し、図面及び仕様に従い、基礎・柱・基礎梁の取合い部の鉄筋の組立を行う。
受験資格
- 技能検定による1級鉄筋施工(組立)技能士資格を保有していること
- 労働安全衛生法第60条(施行令第19条)による「職長教育」+「安全衛生責任者教育」、または「職長・安全衛生責任者教育」を修了していること
- 鉄筋に関して10年以上の現場施工経験を有すること
- 鉄筋工事の現場施工において、「職長教育」の修了後3年以上の職長経験を有すること
鉄筋技能士の合格を目指すことは、自己のキャリアアップや給与の向上に繋がる重要な選択です。現場での信頼を勝ち得ることができれば、さらなるスキルアップやキャリアの発展が期待できるでしょう。
1級鉄筋施工技能士の資格取得に向けて、着実に努力を重ね、目標達成に向けて精進していくことが大切です。
あれば嬉しい役に立つ資格
鉄筋工事では、鉄筋の仮固定に溶接や支障物などをガス溶断など伴う場合があるので2つの講習を受講していたら便利です。
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鉄筋屋の親方プロフェッショナルを認める資格は登録鉄筋基幹技能者講習

登録鉄筋基幹技能者講習の受講資格は、次の要件を全て満たしていることが必要です。
登録鉄筋基幹技能者講習の受講資格は、次の要件を全て満たしていることが必要です。
- 技能検定による1級鉄筋施工(組立)技能士資格を保有していること
- 労働安全衛生法第60条(施行令第19条)による「職長教育」+「安全衛生責任者教育」、または「職長・安全衛生責任者教育」を修了していること
- 鉄筋に関して10年以上の現場施工経験を有すること
- 鉄筋工事の現場施工において、「職長教育」の修了後3年以上の職長経験を有すること
登録鉄筋基幹技能者講習の国家資格を保有した者は元請から日当補填を受けることが可能になってきています。
元請は優れた技能者を確保することで工事の円滑な進行や品質向上を図っています。そのため、登録基幹技能者として認定されれば、元請から評価されるだけでなく、大手ゼネコン等では日当補填も受けられる利点があります。
現場の指導者や教育など類ない技術技能のナンバー1の鉄筋屋を目指すなら

- 登録鉄筋基幹技能者
- 優秀施工者国土交通大臣顕彰(建設マスター)
- 安全優良職長厚生労働大臣顯彰
優秀施工者国土交通大臣顕彰:鉄筋工で取得する方法
建設マスターになるには、建設産業において工事施工に従事 されている個人で、現役として活躍している建設技能者のうち、次の基準を全て満たしている方です。
- 技術·技能が優秀であること
- 工事施工の合理化等に貢献していること
- 後進の指導育成に努めていること
- 安全·衛生の向上に貢献していること
- 他の建設現場従業者の模範となっていること
これらの条件を満たしたうえで、以下の方法で選考されます。
建設業者団体、都道府県、国土交通省地方整備局・北海道開発局から推薦を受けた方 について、優秀施工者国土交通大臣顕彰審査委員会において審査・選考しています。
原則、年齢40歳以上60歳以下の者 ・現場業務の従事期間が20年以上の者 ・無事故期間が3年以上である者に推奨資格があります。
鉄筋屋としてナンバー1を目指すなら、優秀施工者国土交通大臣顕彰は重要な目標となります。
高い技術力と人間性を兼ね備え、建設業界において模範となる存在として活躍することで、自らのキャリアをさらに高めることができるでしょう。積極的に挑戦し、条件を満たす努力を惜しまず、目指すべき道を歩んでいきましょう。
鉄筋屋で独立するなら取得したい資格
鉄筋屋として独立する際には、一級土木施工管理技士や一級建築施工管理技士の資格を取得することが重要です。
また、特定建設業で建設業許可を取得するためには、これらの資格を持つ専任技術者として活躍する必要があります。
一級土木施工管理技士の資格は、土木工事の施工管理や品質管理など幅広い知識と経験を持つことを要求される一方、一級建築施工管理技士の資格は、建築工事の施工管理に関する高度な知識や技術を身につけることを求められます。
これらの資格を取得することで、鉄筋屋としての技術力や信頼性を高め、独立開業する際にはより多くの案件を受注する可能性が高まります。建設業許可を取得することで、法令遵守や安全管理の観点からも信頼性が向上し、業務の幅を広げることができるでしょう。鉄筋屋としての独立開業を考える際には、これらの資格取得と許認可の取得を目指し、スキルアップを図ることが重要です。
鉄筋屋が必要な道具に関して


「ハッカー」とは、鉄筋の結束に使用される道具であり、結束線を鉄筋同士を縛り固定する際に使われます。このツールは鉄筋工にとって極めて重要であり、結束作業の効率を高めるために早く正確に扱うことがスキルの一部でもあります。
ハッカーを使う際には、結束線をつまんで出し、鉄筋の交差部の裏に通し、ハッカーで引っ掛けてから回し締めるという工程が必要です。この作業を丁寧かつ迅速に行うことで、鉄筋のしっかりとした結束を保証し、建物の強度や耐久性を確保することができます。ハッカーは鉄筋工の手によって巧みに操られ、建物の構造を支える重要な役割を果たしています。
この記事では、鉄筋工が使う必須の工具、「ハッカー」について解説していきたいと思います。鉄筋を組み立てるときに鉄筋同士を締める工具、ハッカーですが、ここ最近になって全自動式のものが登場してきました。ですが、まだまだ現[…]
コンベックスは、風や重力の影響で曲がりやすい柔らかいメジャーよりも堅牢な素材で作られており、安定した測定が可能です。また、長さやテープ幅、ロック機能の有無、材質などを選ぶことで、さまざまな用途に合わせて使い分けることができます
今回は建築では基本的な知識となる墨出しの基本をまとめて行きたいと思います。現場ではイロイロな道具で墨出しします。墨出しというのは位置とか仕上げの厚さなどを職人さんが工事していく中で非常に墨出しは重要な仕事です。専門職として[…]

通常のメジャーが風や重力の影響で曲がったり、不安定になることがあるのに対し、折尺を使用することで、より安定して正確な測定が可能となります。また、折尺は高い耐久性を持ち、25,000回の折り畳み動作でも可変部の摩耗が少なく性能を落とさない特長があります。
現場作業に欠かせないHultafors木製折尺。使いやすさと滑りの良さでプロから絶賛されています。長時間の作業でも疲れに…
建築現場では、鉄筋の配置やピッチを割り付けるために使用されるマーカーペン(マーキングチョーク)は、雨の中でも消えない耐水性の油性ペンであり、作業精度を高めるためにはペン先が細い(2mm)ものが選ばれます。このマーカーペンは、建築プロジェクトにおいて非常に重要であり、正確なマーキングを行うことで施工の効率性や品質を向上させることができます。
また、鉄筋の配置に関する情報を直接記入することで、作業者間のコミュニケーションを円滑にし、誤りや混乱を防ぐ役割も果たしています。ペン先が細いことから、細かい部分や曲線などにも適しており、建築設計図面上の情報を正確に反映させることが可能です。
両口タイプのラチェットは、1種類のナットだけでなく、2種類のナットを締めることができるため、さらに便利ですね。ラチェットを選ぶ際には、重要なポイントとしてはサイズ、品質、価格の3点を考慮することが大切です。
この記事では、足場や鉄骨などの組立に必ず使用される「ラチェットレンチ」について解説していきたいと思います。また、人気のラチェットをいくつかピックアップして紹介していきたいと思います。普段から足場や鉄骨を組み立てる作[…]
現場のプロに人気!鳶職が選ぶデザイン最強の工具RW ラチェットレンチとツイストラチェットレンチがおススメ!
ハッカーケースは、主にハッカーを収納するための道具であり、通常、ハッカー以外の工具やアクセサリーも収納可能な設計が一般的です。ハッカーは鉄筋工にとって極めて重要な道具であり、鉄筋同士を縛り固定する際に使用されます。結束線をねじり締め付けるためのハッカーは、鉄筋の結束作業において不可欠な道具であり、使い手の技術とスピードが求められます。
また、ハッカーだけでなく、チョークや折尺、カッターなども収納可能なステンレス製のハッカーケースは、雨風にも強い頑丈な作りが特徴であり、鉄筋工の作業効率向上に貢献します。三貴のSPHハッカーケースは、ケースがスイングするため取り出しやすく、様々な道具をコンパクトに収納できます。
鉄筋職人として道具は他にも様々なものを使いますが、最低限必要な道具を記載して見ました。
ベンダーや加工機なども使います。鉄筋屋さんの道具は奥が深いです。
まとめ
建設現場において欠かせない存在である鉄筋工に焦点を当てた本記事では、鉄筋工の重要性やキャリア形成に必要な資格取得について詳しく探究してまいりました。
鉄筋工は建物の骨組みを支え、強度や耐久性を確保する重要な役割を果たしており、その専門知識と技術は業界内で高い評価を受けています。資格取得は鉄筋工としてのスキルや知識を向上させ、将来的なキャリアアップを図るために不可欠であることが明らかとなりました。
鉄筋工にとって資格取得は重要なポイントであり、本稿では、経験1〜2年目や3年〜5年目で取得すべき資格について詳細に解説しました。さらに、現場での信頼を得て給与アップを目指すためには、「鉄筋施工技能士」の資格取得が必須であることも明らかとなりました。
また、鉄筋屋の親方プロフェッショナルを認める資格である登録鉄筋基幹技能者講習や、現場の指導者や教育に特化した技術技能の向上を目指す際には、さらなる資格取得が求められることも紹介しました。
鉄筋工としてのキャリアを積み重ね、さらなる成長を目指すためには、資格取得を通じて自己啓発を図ることが重要です。
この記事を通じて、鉄筋工の魅力や資格取得の重要性について理解を深めていただけたことを願っております。今後も専門知識と技術を磨き、建設現場での貢献とキャリア形成に励んでいただければ幸いです。