プロの視点から見た足場組立特別教育と作業主任者講習の比較

私が建設会社に入社したときには、足場組立の作業主任者技能講習しかなかったです。しかし、今は足場組立特別教育が定着してきましたね。

墜落転落災害は建設業では多い労働災害になります。足場組立・解体工事はどこの現場でもほとんど施工が伴ってきます。

私も、若い頃には何も知らないのでクランプに足を掛けて、単管よじ登ったりして今思えば危険な作業をしていたように思います。

 
千尋さん保険屋
へぇ 足場って事故多いんですね
 
ネコマル
そうです。足場からの転落などもあります

足場施工は危険が伴う特別教育必須

足場組立特別教育の受講方法と作業主任者講習との違い

東京・六本木のマンションの修繕工事現場で2016年、落下した鉄パイプが直撃して通行人が死亡した事故で、業務上過失致死罪で在宅起訴された現場監督の元請け会社部長・田代泰司被告(55)の判決が3日、東京地裁であった。西野吾一裁判長は「危険を予見できた」と述べ、禁錮1年4カ月執行猶予4年(求刑禁錮1年6カ月)を言い渡した。田代部長は無罪を主張していた。

 判決は、作業員が資材を地上に下ろす際、筋交いに資材をぶつけた衝撃で鉄パイプが外れ、落下物を受け止める防護板が撤去された部分をすり抜けたと指摘。田代部長は外壁工事の経験が豊富で事故を予想できたとしたうえで、作業員が鉄パイプの固定を怠っていたのに点検させず、警備員に通行止めを指示しなかった過失があると認定した。

 この事故では、作業責任者だった下請け会社の男性も在宅起訴され、禁錮1年6カ月執行猶予4年の有罪判決が確定している。

六本木の鉄パイプ落下事故死 現場監督に有罪判決:朝日新聞デジタル (asahi.com)

足場の安全基準は年々進んでいます。ビケ足場なんて私のときにはまだ出始めでした。ほとんど単管と枠足場で足場を組んでいました。

確か、平成15年ぐらいだったかなぁ、足場の先行手摺がで始めたが、なんか足場組立が面倒になるなぁって騒いでたような記憶があります。

現場でも足場の仮設材を手配するときに、まだ鳶さんも慣れていなく取り付けを一緒に考えて設置してました。

簡単にいうと昔は手すりは後から取り付けるので、組立中に落下する可能性があるので先に手すりを付けてから上段に昇り安全帯を設置できる設備を設けてから作業しましょう。ってことですね。

手すり先行工法などの例
【第1章】第2節 足場の材料、構造及び組立図②|(一財)中小建設業特別教育協会 (tokubetu.or.jp)

そのなかで、平成 27 年 7 月 1 日より足場の高さに係りなく、足場の組立、 解体又は変更の作業に係わる業務(地上又は堅固な床上における 補助作業は除く)に携わる作業者に教育しましょうって内容ですね。ここが特別教育の始まりですね。

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足場組立改正の内容は何回も実施されている。

私のときには、手すりの高さは90cmと教えてもらってましたが、平成21年に改正:幅木・中桟・手すり先行と手すりの高さ85センチに改正されました。

足場の作業床
【第1章】第1節 足場の定義①|(一財)中小建設業特別教育協会 (tokubetu.or.jp)

その中で、平成27年に安全衛生規則の特別教育第59条3号に足場の組立、 解体又は変更の作業に係わる業務として特別教育の内容が始まりました。

安全基準が変わるというのは、事故や労災が多いことが原因で内容が常に変わっていきます。

その足場組立の講習の内容とはどのような内容か説明していきます。

足場の組立て等特別教育講習時間

足場組立特別教育のカリキュラムは6時間教育が必要になります。講習には、実技はありません。学科のみとなります。関係法令にも実技教育実施の規定はないので、実技講習はありません。

足場および作業の方法に関する知識3時間
事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識30分
労働災害の防止に関する知識1.5時間
関係法令1時間

この時間の講習カリキュラムを受講が必須になります。実際の講習は休憩などもあるため、1日講習になると理解してもらえるといいですね。

誰でも講習を受ければ足場組立が出来るかと言うと違います。特に注意が必要なのはこちらです。

特別教育から作業主任者を取得してスキルアップをするのもいいですね。

 
千尋さん保険屋
誰でも講習受けれるの?
 
ネコマル
受講できますが18歳以下は注意

足場組立は未成年は注意!年少者労働基準規則

年少者の特別教育受講可能だが作業に関して年少者は不可になります。その基準は、労働基準法をになります。

満18歳未満の年少者には、労働時間の制限、深夜業の禁止など様々な制限があり、さらに危険有害業務の就業制限など特別の保護などが、記載されています。

年少則で、足場作業に直接、関係しそうなものは次の通りです。

①重量物を取り扱う業務で、以下の区分によるもの(7条)

高さ5m以上の場所で、墜落により労働者が危害を受けるおそれのあるところにおける業務(8条24号)

足場の組立、解体又は変更の業務(地上又は床上における補助作業の業務を除く)(8条25号)

このように18歳未満の年少の労働者を使用して足場の作業に従事させることは禁止されており、これに違反すると6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が科せられます。

なお、「地上又は床上における補助作業の業務を除く」という除外規定はありますが、実際の現場では困難であると考えておくべきで年少者を足場作業に従事させる場合は注意が特に必要ですね。

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足場の特別教育で特に把握しとくべき基準

足場板隙間の基準

足場板と建地との隙間は12センチ未満となっています。隙間から資材の落下や一人が隙間から足を踏み外し落下しないよう、隙間の管理基準は大切です。

特別教育が開始される以前の内容では、40センチの以上の足場板の幅と床材の隙間を3センチの内容でしたが、建地との隙間が追記されてます。

このような内容も特別教育の受講の中で学ぶことが出来ます

足場の作業床
【第1章】第1節 足場の定義①|(一財)中小建設業特別教育協会 (tokubetu.or.jp)

足場はいろいろな職人使います。その中で種類もいろいろありますので足場を使うときに知っておきたい。また種類などをまとめていきたいと思います