第一種電気工事士の学科試験において、高圧受電設備からの配線や、工場内での大容量配線に関する「高圧施工」は、毎年必ず出題される重要テーマです。特に各種電線・ケーブルの支持基準や、施工場所の制限、接続処理の手順は、数字の引っかけ問題が多いため正確な暗記が求められます。
この記事では、試験に頻出する4つの重要テーマ(KIP電線、高圧屋内配線、ケーブル接続処理、各種ダクト工事)について、過去問を交えて分かりやすく解説します。
この記事を読めば、専門的な施工基準の数値や専門用語が直感的に整理でき、試験本番で迷わず正解を選べるようになります。
ネコマル特製のスマートフォン・SNSに最適な各テーマごとの「縦長3コマ構成」のインフォグラフィック図解を見るだけで、要点の意味が直感的にイメージできるため、通勤時間などの隙間時間を利用して効率よくマスターしていきましょう。
—
【高圧絶縁電線(KIP)と高圧ケーブル(CVT・CMP)の特徴・支持基準】第一種電気工事士 区分(上級)・区分(下級) 学科過去問のわかりやすい覚え方
現場の感覚では〇〇(※高圧電線はとにかく頑丈で太いから支持間隔も広くて大丈夫と思いがち)ですが、検定試験では真逆の判断が正解になることがあります。ここを取り違えると確実に落とされるため注意が必要です。

高圧配線工事において、使用される電線の種類とそれぞれの支持基準は非常に厳格に定められています。試験で特によく狙われるのが、高圧絶縁電線(KIP)と高圧ケーブル(CVTやCMPなど)の「支持点間の距離」です。
高圧絶縁電線(KIP)の特徴と支持基準
高圧絶縁電線(高圧引き下げ用架橋ポリエチレン絶縁電線など、通称KIP)は、主にキュービクル(高圧受電設備)の内部や、変圧器への一次側配線などに使用されます。KIP電線を施設する場合の主な施工基準は以下の通りです。

- 施設場所:展開した場所に限られます(隠ぺい場所への施設は原則不可)。
- 支持点間の距離:造営材に沿って施設する場合、支持点間の距離は2m以下としなければなりません。
- 接触防護措置:人が触れるおそれがないように施設する必要があります。
高圧ケーブル(CVT・CMP)の特徴と支持基準
高圧ケーブルは、架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CV)や、それを3本縒り合わせたCVTケーブル、あるいは材料を工夫したCMPケーブルなどが使用されます。絶縁体の外側に遮へい層(銅テープ)を持ち、安全性が高いため隠ぺい場所にも施工可能です。
- 造営材沿いの支持点間の距離:ケーブルを造営材の側面または下面に沿って施設する場合、支持点間の距離は2m以下(管灯回路用は1m以下)と規定されています。
- 垂直施設時の支持点間の距離:ケーブルを垂直に施設する場合は、支持点間の距離を6m以下とすることができます。
このように、「水平・造営材沿いの支持間隔はどちらも2m以下」という共通点を頭に入れておくと、暗記が非常にスムーズになります。
演習問題
問題:高圧配線工事の施工基準として、不適当なものはどれか。
- 高圧絶縁電線(KIP)を造営材に沿って施設し、その支持点間の距離を1.8mとした。
- 高圧ケーブルを造営材の側面に沿って水平に施設し、その支持点間の距離を2.5mとした。
- 高圧ケーブルを造営材に沿って垂直に施設し、その支持点間の距離を5.0mとした。
- 高圧絶縁電線を人が触れるおそれがない展開した場所に施設した。
解答:2
解説:高圧ケーブルを造営材の側面や下面に沿って施設する場合、支持点間の距離は2m以下としなければなりません。選択肢2の「2.5mとした」という施工は基準を超過しているため不適当です。なお、選択肢1のKIP電線の支持間隔(2m以下である1.8m)、選択肢3の高圧ケーブル垂直施設の支持間隔(6m以下である5.0m)、選択肢4のKIP電線の施設場所(展開した場所かつ人が触れるおそれがない場所)はすべて法令の基準を満たしており適当です。
—
【高圧屋内配線工事(ケーブル工事)の施工制限と造営材沿い支持】第一種電気工事士 区分(上級)・区分(下級) 学科過去問のわかりやすい覚え方
高圧屋内配線は、低圧屋内配線に比べて感電や火災時のリスクが格段に高いため、施工できる工事の種類自体が厳しく制限されています。第一種電気工事士の試験では、「そもそもどの工事方法なら認められるか」という施工制限と、具体的な防護措置の数値が頻出します。

高圧屋内配線の施工制限
高圧屋内配線として施工することが許されているのは、原則として「ケーブル工事」のみです(電気通信専用回線など特殊な場合を除く)。低圧工事でおなじみの「合成樹脂管工事」や「金属管工事」の中に、高圧電線をそのまま通して屋内配線とすることは認められていません。必ず高圧用のケーブルを使用する必要があります。
造営材沿いの施工ルールと床上2mの防護措置
高圧ケーブルを屋内の造営材に沿って施設する場合、以下のルールを厳守しなければなりません。
- 支持間隔:前述の通り、造営材の上面・側面に沿わせる場合は2m以下の間隔でしっかりと固定します。
- 機械的衝撃からの防護(床上2m未満):人が触れるおそれがある場所にケーブルを施設する場合、衝撃によってケーブルが損傷するのを防ぐため、床上2m未満の部分については、ケーブルを堅ろうな管(金属管など)やカバーに収めて防護しなければなりません。
試験では、この「床上2m」という数値を「床上1.5m」や「床上1.8m」に変えて受験生を引っかけてくるパターンが非常に多いため、自分の身長よりも少し高い「2m」という基準をイメージして覚えましょう。
演習問題
問題:高圧屋内配線工事の施工に関する記述として、不適当なものはどれか。
- 高圧屋内配線を隠ぺい場所に施設するため、高圧架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CV)を用いたケーブル工事とした。
- 高圧屋内配線工事において、人が触れるおそれがある場所に施設するケーブルの床上1.5mから上の部分にのみ金属管による防護措置を施した。
- 高圧屋内ケーブル工事において、ケーブルを造営材の下面に沿って施設し、支持点間の距離を2.0mとした。
- 高圧屋内配線として、金属管の中に高圧絶縁電線を通した配線は認められない。
解答:2
解説:人が触れるおそれがある場所に高圧屋内ケーブルを施設する場合、機械的衝撃から防護するために床上2m未満の部分に防護措置(金属管に収めるなど)を施す必要があります。選択肢2のように「床上1.5mから上」にしか防護を施していない場合、床上0m〜1.5mの最も人が触れやすく衝撃を受けやすい部分が無防備になってしまうため不適当です。その他の選択肢はすべて正しい施工基準を示しています。
—
【高圧ケーブルの直線接続・終端接続処理(プレハブ・耐塩用)の手順】第一種電気工事士 区分(上級)・区分(下級) 学科過去問のわかりやすい覚え方
高圧ケーブルは、単に導体(銅線)同士を繋ぐだけでなく、高電圧に耐えるための電気的な工夫(電界緩和)や、感電・漏電を防ぐための遮へい層の処理が必須となります。ここでは、接続処理(端末処理)の構造と正しい施工手順について解説します。
高圧ケーブルの構造と段剥ぎ(だんはぎ)
高圧ケーブル(例:CLCEケーブルやCVケーブル)の端末を処理する際は、外側のシースから順に階段状に剥き出す「段剥ぎ」を行います。構造は外側から以下のようになっています。
- シース(外皮):最外層の保護被覆。
- 銅テープ遮へい層:ケーブルの周囲の電界を均一にし、誘導電圧を逃がすための金属層。必ず接地(高圧ではA種接地工事)が必要です。
- 外外部導電層:絶縁体の外側にある半導電性の層。
- 絶縁体:架橋ポリエチレンなど、高電圧を遮断するコア部分。
- 内部導電層:導体のすぐ外側にある半導電性の層。
- 導体:実際に電流が流れる中心の銅線。
電界緩和(ストレスコーン)の役割
ケーブルの遮へい層(銅テープ)を切り落とした部分は、電気的なストレス(電界)が一箇所に集中しやすく、そのまま放置すると絶縁破壊(火花放電や破裂)を起こします。これを防ぐために、電界を緩やかに分散させる「ストレスコーン(電界緩和層)」を設けます。近年では、あらかじめ成形されたゴム製の部品を差し込むだけのプレハブ式終端接続材料が主流となっています。
耐塩用終端処理
海岸近くなど、塩害を受けるおそれがある場所に施設する終端接続(屋外終端箱など)では、塩分を含んだ水分によって表面に漏れ電流が流れる(トラッキング現象)のを防ぐため、表面の漏れ距離を長く確保できる「ひだ(笠)」の多い耐塩用材料を使用します。
演習問題
問題:高圧架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル(CV)の直線接続または終端接続処理に関する記述として、不適当なものはどれか。
- ケーブルの銅テープ遮へい層は、誘導電圧による危険を防止するため、接続処理時に確実にA種接地工事を施した。
- 遮へい層を切り開いた端部における電界集中を緩和するため、ストレスコーンを設けた。
- 沿岸部に施設する高圧受電設備の屋外終端接続において、塩害による漏れ電流を防止するため、笠(ひだ)のついた耐塩用終端接続材料を使用した。
- プレハブ式終端接続処理では、電界緩和のために半導電性テープと絶縁テープを何重にも手巻きで精密に成形しなければならない。
解答:4
解説:プレハブ式終端接続材料は、工場であらかじめストレスコーン(電界緩和形状)が一体成形されたゴムやエポキシ樹脂のモールド品を使用するため、選択肢4のように「テープを何重にも手巻きで精密に成形する」必要はありません。手巻きの手間や施工者による品質のバラつきを無くすために開発されたのがプレハブ式です。したがって選択肢4が不適当です。遮へい層のA種接地(選択肢1)、電界緩和のためのストレスコーン(選択肢2)、塩害対策のひだ付き耐塩用材料(選択肢3)はすべて正しい記述です。
—
【工場配線における金属ダクト工事・バスダクト工事の施工基準】第一種電気工事士 区分(上級)・区分(下級) 学科過去問のわかりやすい覚え方
工場やビルなどの大規模施設では、大量の電線や、極めて太い導体をまとめて通すために「金属ダクト」や「バスダクト」が使用されます。試験では、これらのダクトを造営材に取り付ける際の「支持点間の距離」が最大の得点源となります。

金属ダクト工事の施工基準
金属ダクトは、鋼板製の幅の広い箱状の部材で、この中に多数の絶縁電線を収めて配線します。
- 支持点間の距離:造営材に沿って水平方向に施設する場合、支持点間の距離は3m以下としなければなりません。ただし、垂直に施設する場合は6m以下とすることができます。
- 電線の占有率:ダクト内の電線の断面積の総和は、ダクトの内部断面積の20%以下(制御回路用電線などの場合は50%以下)に制限されます。
- 終端部の処理:ダクトの端部は、電線を傷つけないように内面を滑らかにするか、ブッシングを設け、かつ末端は閉塞(ふさぐ)しなければなりません。
バスダクト工事の施工基準
バスダクトは、金属製の外箱の中に、絶縁サポートで支持された極太の銅やアルミニウムの帯状導体(バスバー)があらかじめ収められている配線材料です。超大容量の幹線配線に使用されます。
- 支持点間の距離:造営材に沿って施設する場合、支持点間の距離は原則として3m以下とします。
- 構造:湿気のある場所や屋外に施設する場合は、防水型のバスダクトを使用する必要があります。
暗記のコツとして、「金属ダクトもバスダクトも、通常の支持間隔は3m以下」とセットで覚えましょう。低圧の「金属線ぴ(1.5m以下)」や、前述の「ケーブル工事(2m以下)」との数値の引っかけに注意してください。
演習問題
問題:工場内の屋内配線工事において、施工基準として不適当なものはどれか。
- 金属ダクト工事において、ダクトを造営材の壁面に沿って水平に施設し、その支持点間の距離を2.5mとした。
- 金属ダクト内に収める絶縁電線の断面積の総和を、ダクトの内部断面積の40%(すべて電力用配線)とした。
- バスダクト工事において、ダクトを造営材に沿って施設し、その支持点間の距離を3.0mとした。
- 金属ダクトの終端部は、ゴミや異物が入らないように閉塞した。
解答:2
解説:金属ダクト内に収める電力用の絶縁電線の断面積の総和は、ダクトの内部断面積の20%以下としなければなりません。選択肢2の「40%とした」という施工は基準を超えているため不適当です(50%以下にできるのは、制御回路用の電線等に限られます)。他の選択肢について、水平方向の金属ダクト支持間隔(3m以下である2.5m)、バスダクトの支持間隔(3m以下である3.0m)、終端部の閉塞はすべて正しい施工基準です。
—
まとめ
第一種電気工事士の試験において、高圧施工の数値・基準は得点に直結する重要な暗記項目です。最後に今回学んだ数字の要点を整理しておきましょう。
| 工事の種類 / 対象 | 主な支持点間隔(水平・造営材沿い) | 重要な施工上の数値・ルール |
|---|---|---|
| 高圧絶縁電線(KIP) | 2m以下 | 展開した場所に限る(隠ぺいは不可) |
| 高圧ケーブル工事 | 2m以下(垂直は6m以下) | 人が触れる場所は床上2m未満を防護管で覆う |
| 高圧ケーブル接続処理 | – | 銅テープ遮へい層はA種接地、電界緩和にストレスコーン |
| 金属ダクト工事 | 3m以下(垂直は6m以下) | 電線占有率は内部断面積の20%以下(電力線) |
| バスダクト工事 | 3m以下 | 大容量幹線に使用、終端部は閉塞する |
これらの関係性をしっかり頭に入れ、過去問演習を繰り返して合格を掴み取りましょう!
電気工事士(1種・2種)の最短合格とキャリアアップを目指すあなたへ。
過酷な現場作業に追われる中で、「学科の勉強時間が取れない」「技能試験の準備が手間」と悩んでいませんか?
このページでは、激務の中でも確実に合格を勝ち取るための『最強の同線』とサポートツールをまとめました。
まずは、あなたの今の状況や知りたい情報に合わせて、以下の案内をご活用ください。
さらに、この画像をクリックすると、
ページ下部にある『電気工事士 最短合格サポートツール』のリストへ直接移動できます。
【最短合格】激務の建設ワーカー必見!電気工事士(1種・2種)超効率合格&キャリアアップ完全ガイド
日々の過酷な現場や作業、本当にお疲れ様です。
電気工事士の資格は、取得すれば「一生食いっぱぐれない」「独立・開業も狙える」と言われる最強の国家資格です。しかし、日々の業務に追われる中で、「学科の勉強時間が取れない」「技能試験(実技)の練習や道具を揃えるのが手間で挫折しそう…」と悩む方が非常に多いのが現実です。
限られた時間で確実に一発合格を狙うなら、すべてを自力で何とかしようとするのは非効率。
「学科はスマホで隙間時間に」「実技は実績のあるプロのセットで一気に揃える」のが、忙しい現代のワーカーにとって圧倒的な最適解です。
あなたの貴重な時間と労力を無駄にしないための、目的別・最強サポートツールを厳選しました。
電気工事士 合格・キャリア最短ルート支援
-
- 隙間時間で学科対策
重いテキストは不要。現場の空き時間を「学習時間」に変える!
通勤中や現場の休憩時間など、手元のスマホでサクッと暗記を進めたい方に。まずはここから学習習慣をつけましょう。
👉 電気工事士をスマホで勉強するならこちら
- 隙間時間で学科対策
-
- 過去問・出題傾向の把握
よく出る問題を制する者が試験を制す!出題問題集約ページ
当サイトの特設ページには、試験の出題問題や過去の傾向をガッツリ集約しています。テキスト学習と併用して、試験の「クセ」を掴みましょう。
👉 電気工事士の出題問題・過去問まとめページはこちら
- 過去問・出題傾向の把握
-
- 第2種を目指す方へ
電気のプロへの第一歩!初学者でも安心の王道勉強法
何から手をつけていいか分からない方は、プロが組んだカリキュラムに乗っかるのが一番の近道です。
👉 電気工事士2種を取得するならオススメの勉強法はこちら

- 第2種を目指す方へ
-
- 第1種を目指す方へ
さらなるキャリアアップ!難関の第1種を一発で仕留める
より高度な知識が求められる第1種。独学での壁を感じているなら、合格のノウハウが詰まったこちらの対策が必須です。
👉 1種電気工事士を1発で合格するにはこちらをチェック!

- 第1種を目指す方へ
-
- 技能試験対策・大本命
実技対策は「道具と材料選び」で勝負が決まる!
ホームセンターを何軒も回って材料をバラ買いするのは、時間と労力の無駄です。本番と同じ環境で練習できる、累計20,000セット以上売れている大定番セットをサクッと用意して、練習に全集中しましょう。
👉 累計20,000セットの販売の電気工事セット

- 技能試験対策・大本命
- キャリア相談・転職
資格を武器に、ガッツリ稼げる「最高の労働環境」を手に入れる
電気工事士は取得してからが本番です。建設業界特化のエージェントに無料相談し、「資格を取ればどれだけ好待遇の求人があるか」を知ることで、日々の勉強モチベーションが劇的に上がります。現状の給与に不満があるなら情報収集だけでも必須です。
👉 ビルドジョブ|建設業界特化の転職エージェントの無料キャリア面談

「いつか道具を揃えよう…」と先延ばしにしていると、あっという間に試験本番がやってきます。
スマホと実技セットで今日から万全の体制を整え、一生モノの資格とキャリアを確実につかみ取りましょう!

