電気工事士学科試験の後半に控える「配線図問題」において、受験生が最も時間を取られやすく、かつ配点が高いのが、ジョイントボックス内における「リングスリーブの選定・圧着マーク」や「差込形コネクタの必要極数」を答えさせる問題です。
これらの問題を解くためには、単に複線図を描けるだけでなく、集まった電線の太さと本数から適切な部材を導き出す「集計のルール」をマスターする必要があります。
この記事では、「リングスリーブの計算」「差込形コネクタの数え方」「リモコンリレー回路の構造」「配管内の電線本数」という、計算とカウントが必須の4大テーマを過去問ベースで徹底解説します。各解説の下には、直感的にカウント手順がわかるネコマル特製の「縦長3コマ構成インフォグラフィック図解」のイメージを掲載しています。数え方のコツを掴んで、一気に合格ラインを引き上げましょう!
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【リングスリーブ圧着マーク選定の芯線組み合わせ計算】第一種・第二種電気工事士試験 過去問のわかりやすい覚え方
まずは根本の仕組みから丁寧に整理します。難しい用語を使わず、図解イメージで理解できるように分解すると…

ジョイントボックス内で電線同士をリングスリーブ(E形)で圧着接続する場合、使用するスリーブのサイズ(小・中)と、圧着工具のダイス(接続マーク:○・小・中)の組み合わせは、接続する電線の「太さと本数」によって厳格に決められています。試験で必要な計算用換算値は以下の2つだけです。
- 直径1.6mmの電線:断面積の割り当て値を「2」(平方ミリメートル)とする
- 直径2.0mmの電線:断面積の割り当て値を「3.5」(平方ミリメートル)とする
この数値を使い、接続するすべての電線の値を合計します。その合計値によって、以下のように機械的にスリーブとマークが決定します。
| 電線の組み合わせ(合計断面積) | 使用するスリーブサイズ | 圧着工具のダイス(マーク) | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1.6mm × 2本 のみ(合計:4) | 小スリーブ | ○(極小・マル) | |||||
| 合計が 8 平方ミリメートル以下 | (例:1.6mm×3〜4本、2.0mm×1本+1.6mm×1〜2本) | 小スリーブ | 小 | ||||
| 合計が 8 平方ミリメートル超 〜 15 以下 | (例:1.6mm×5本、2.0mm×2本+1.6mm×2本など) | 中スリーブ | 中 |
実戦過去問にチャレンジ!
問題1:ジョイントボックス内において、以下の4箇所の電線接続を行う。使用するリングスリーブの種類(サイズ)と圧着マークの組み合わせとして、すべて正しいものはどれか。ただし、使用する電線はすべてVVFケーブルとする。
① 直径1.6mm 2本の接続
② 直径1.6mm 3本の接続
③ 直径2.0mm 1本と直径1.6mm 2本の接続
④ 直径2.0mm 2本と直径1.6mm 2本の接続
1. ①小・○、②小・小、③小・小、④中・中
2. ①小・小、②小・小、③小・小、④中・中
3. ①小・○、②小・○、③小・小、④中・中
4. ①小・○、②小・小、③中・中、④中・中
解答:1
詳しい解説:
先ほどの換算値(1.6mm=2、2.0mm=3.5)を使って各接続箇所を計算します。
・① 1.6mm×2本:1.6mmが2本だけの接続は特例ルールとして「小スリーブ・○マーク」となります。これで選択肢2が消えます。
・② 1.6mm×3本:2 + 2 + 2 = 6。合計が8以下なので「小スリーブ・小マーク」です。
・③ 2.0mm×1本 + 1.6mm×2本:3.5 + 2 + 2 = 7.5。合計が8以下なので、これも「小スリーブ・小マーク」となります。これで選択肢4が消えます。
・④ 2.0mm×2本 + 1.6mm×2本:3.5 + 3.5 + 2 + 2 = 11。合計が8を超え15以下なので「中スリーブ・中マーク」となります。
すべての条件が完全に一致しているのは選択肢1です。
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【差込形コネクタの必要個数と極数(本数)のカウント方法】第一種・第二種電気工事士試験 過去問のわかりやすい覚え方
現場の感覚では「部材箱から適当なコネクタを持ってきて電線を差し込むだけ」ですが、試験の図面問題では、ボックス全体で2極・3極・4極のコネクタがそれぞれ「何個ずつ必要なのか」を正確に集計しなければなりません。ここを取り違えると連動して誤配線扱いになり不合格となるため注意が必要です。

差込形コネクタの数を数える問題が出たら、焦らずに以下の手順で集計を行います。
- ステップ1:対象となるアウトレットボックス(またはVVFジョイントボックス)周辺の複線図を完全に描き起こす。
- ステップ2:電線同士が交わって黒丸(●)で結ばれている接続点(ジョイント)を1つずつ単独で見る。
- ステップ3:その1つの接続点に「何本の電線が集まっているか」を数える。2本集まっていれば「2極用コネクタが1個」、3本集まっていれば「3極用コネクタが1個」、4本集まっていれば「4極用コネクタが1個」必要になると判定する。
- ステップ4:ボックス内にあるすべての接続点についてステップ3を行い、最後にコネクタの種類ごとに個数を合計する。
実戦過去問にチャレンジ!
問題2:ある配線図のアウトレットボックス内において、すべての接続を差込形コネクタで行うこととした。複線図に書き換えたところ、電線の接続箇所が「2本接続が2箇所」「3本接続が3箇所」「4本接続が1箇所」あった。このボックス内で使用する差込形コネクタの極数と必要個数の組み合わせとして、正しいものはどれか。
1. 2極用が2個、3極用が3個、4極用が1個
2. 2極用が1個、3極用が3個、4極用が2個
3. 2極用が2個、3極用が1個、4極用が3個
4. 2極用が3個、3極用が2個、4極用が1個
解答:1
詳しい解説:
差込形コネクタは、接続する電線の本数と同じ極数のコネクタを1箇所につき1個使用します。
・「2本接続が2箇所」 ⇒ 2本の電線をまとめるため、2極用コネクタが2個必要です。
・「3本接続が3箇所」 ⇒ 3本の電線をまとめるため、3極用コネクタが3個必要です。
・「4本接続が1箇所」 ⇒ 4本の電線をまとめるため、4極用コネクタが1個必要です。
したがって、そのままの数量をカウントしている選択肢1が正解です。実際の試験では、単線図から自分で複線図を描いてこの接続点ごとの本数を導き出す形式で出題されます。
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【リモコンリレー・リモコントランス(集中制御回路)の配線図の見方】第一種・第二種電気工事士試験 過去問のわかりやすい覚え方

現場の感覚では「オフィスの壁にある四角い集中スイッチパネル」でお馴染みですが、いざ配線図の中の記号として登場すると、主回路と制御回路のつながりが一見複雑に見えて迷ってしまいます。ここを取り違えると器具の役割や電圧を問う問題で確実に落とされるため注意が必要です。
体育館やオフィスの照明を1箇所でまとめてON/OFFするシステムを「リモコンリレー回路(多重伝送・集中制御回路)」と呼びます。試験で問われる主要な構成器具は以下の3つだけで、記号を「キーワード反応型」で覚えれば簡単に得点できます。
- リモコントランス(操作用変圧器)[記号:○にト または T]:主回路の交流100Vまたは200Vを、操作用の安全な低電圧である「交流24V」に低下させるための変圧器です。
- リモコンスイッチ[記号:●にR]:壁などに設置される手元の操作スイッチです。ここにはトランスで落とされた「24V」の電圧しかかからないため、安全に操作できます。
- リモコンリレー[記号:○にR または 縦線の入った四角にR]:リモコンセレクタスイッチからの24Vの信号(電流)を受けて、内部の電磁石が作動し、100V/200Vの主回路の接点をガチャンと物理的に開閉(ON/OFF)する機器です。通常、リモコンリレーボックス内にまとめて格納されます。
実戦過去問にチャレンジ!
問題3:配線図において、図記号「○にト」で示される器具の名称および役割として、正しいものはどれか。
1. リモコンスイッチであり、照明器具を直接ON/OFFする。
2. リモコンリレーであり、24Vの信号で主回路の開閉を行う。
3. リモコントランス(操作用変圧器)であり、主回路の電圧を操作用の24Vに変圧する。
4. 漏電遮断器であり、リモコン回路の漏電を検知して遮断する。
解答:3
詳しい解説:
図記号「○にト(または丸の中にT)」はリモコントランス(操作用変圧器)を表します。その役割は、選択肢3の通り「主回路の電圧(100V/200V)をリモコン回路の操作電圧である24Vに下げる」ことです。この「24V」という具体的な数値も非常によく午前・午後の学科試験で問われるため、セットで暗記しておきましょう。
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【配線図問題における金属管・ケーブルの必要電線本数】第一種・第二種電気工事士試験 過去問のわかりやすい覚え方
この単元は深追い不要。試験では“キーワード反応型”でOKです。次のポイント(単線図の1本線を複線図上でカットして数える)さえ理解すれば、配管の中を通る電線の本数を瞬時に見抜けます。

配線図問題では、「ある特定の金属管(または合成樹脂管)の中を通る電線の最小本数はいくつか」という問いが定番です。単線図ではすべての経路が1本の線で描かれているため、中身の本数はわかりません。以下の2ステップでキーワード反応させて処理します。
- 配管区間の両端を確認する:その管が「どのボックスからどの器具(あるいは別のボックス)へ繋がっているか」を単線図上で見極める。
- 複線図の該当箇所を数える:全体または該当部分の複線図を描き、その管が結んでいるルートの電線を束ねて本数を数える。通常は「接地側白線」「非接地側黒線」「スイッチからの戻り線(連絡線)」の組み合わせになります。回路に「コンセント」や「接地線(アース・緑線)」が並行して含まれる場合は、その分の本数も忘れずに足し算します。
実戦過去問にチャレンジ!
問題4:ジョイントボックスからスイッチ(イ)を経由して照明器具(イ)に至る単線図の経路がある。このうち、ジョイントボックスからスイッチ(イ)のボックスへ向かう管路(金属管配線)内に収める必要のある最小の電線本数(絶縁電線の本数)として、正しいものはどれか。ただし、スイッチのボックス内には他の器具やコンセントはないものとする。
1. 2本
2. 3本
3. 4本
4. 5本
解答:1
詳しい解説:
ジョイントボックスから「スイッチ(単極スイッチ)だけ」が収められているスイッチボックスへ向かう配管のケースです。
基本ルールを思い出してください。スイッチボックスに必要な電線は、
① 電源からやってくる「非接地側の黒線」(入力)
② スイッチを通過して灯具へと戻っていく「スイッチの戻り線」(出力)
の計2本だけです。スイッチボックス内にコンセントや他の片切スイッチが同居していない限り、接地側の白線を引き込む必要はありません。したがって、管内を通る最小の本数は「2本」となり、選択肢1が正解です。もしここにコンセントが追加されていれば、コンセント用の白線が必要になり「3本」へと変化します。接続される器具の構成をよく見て本数を決定しましょう。
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