マンション大規模修繕:着手金における契約確認
契約着手金について、大規模修繕工事業者から着手金の振込状況がまだ確認できていないと話がありました。
これから書くことは大事なことです。
例えば…
着工金50% 中間金30% 竣工金20%で契約したとします。
工事も順調に進み、中間金を支払ったところで増圧ポンプが急に壊れてしまい、200万費用が臨時で必要になりました。
臨時費用があると、これらの予定金額以上に払わなければならなくなってしまうという問題です。
それにより竣工金が払えない等や急に費用が生じた場合には対応出来ないというトラブルが発生します。
こうしたトラブルを未然に防ぐために、管理組合としては契約前に大規模修繕会社等に事前に取決めをしておく必要があります。
なるべく会社と同じで出費を最初でしないようにすることがポイントです。
また契約前に金額が適正かもチェックしておく必要がありますね
管理組合が行う契約の重要なポイント
- 着工金、中間金、完工金を意識する
- 着工金、中間金先払いの比率を下げる
- 追加工事や変更工事が発生しても対応出来るように、支払い計画を組む事が必要
つまり、余剰資金はしっかり確保しておくことが必要です。
予算ギリギリは、いざという時の資金に充てられず、本来の工事資金を払えなくなる可能性があります。
当マンションで実際に起こった資金ショート寸前問題については、以下のブログからご覧ください。
この記事では、マンション修繕工事に関する作業内容を週ごとに分けて解説していきます。前回の作業内容については、「実録!マンション大規模修繕5週目:タイル撤去工事音の騒音問題」にて解説しているので、リンク先からご覧ください。[[…]
大規模修繕:付帯工事/網戸貼り替えサービス提案
大規模修繕で網戸の張り替えを一緒に行うこともいいかと思います。
当マンションでは大規模修繕に合わせて、網戸の張替を希望者のみ同時に行うサービスを施工業者に提案して実施しました。
網戸は5年以上経つと破れや破損もあります。そのため、大規模修繕の際に別途費用で張り替え希望者を募り、一世帯あたり6,000円程度で行ってもらい、取り外しとはめ込みもお願いしました。また、合わせてベランダをキレイにすることも出来るようにしてもらいました。
網戸は外気の環境を受けやすい場所に設置されているので、メンテナンスをしないうちに劣化していたり、網戸としての機能を果たさなくなってしまうことがあります。ですが、網戸を交換する場合、業者に依頼した方がいいのか、また自分たちで行った方[…]
バルコニー:不要品処理サービス
11月8日9日で回収を行いましたが、1.5㎥程度しか集まりませんでした。ですが、バルコニー内に目立った不要品は少なく済んだので、結果的によかったと思いました。
ただ、「なんでも捨てていいので、ゴミを回収します」と伝えると本当に何でも捨てる人がいます。
そこで、
組合としては事前アンケートで捨てるものを把握し、時間割で監督同伴で捨てるものを最低限に行うようにしました。すると、搬出する量を減らしコストダウンも可能になります。
他にもその値段が適正なのかとかも合わせてチェックしてみてもいいですね
大規模修繕:屋上・屋根/葺き替えに関して
屋根の下地調査も完了し、結果としては斜屋根の部分屋上のシングル屋根(アスファルトを素材とした防水屋根材)がやはり痛んでいました。
ただ、全てを張替えていくのは大変です。
張替すると非常に値段掛かります。
そこで、防水等で固めてしまう方法で安価に出来ないかとコンサルタントより提案があり、下地の補修方法と表面に防水塗装を行うアロンコートと言う施工で進めるようになりました。
つまり、塗装補修で行い葺き替えをしない予定で協議しました。
メーカーによると、標準的なアスファルトシングルの耐久性は10年から20年です。
この記事では、マンション修繕工事に関する作業内容を週ごとに分けて解説していきます。前回の作業内容については、「実録!マンション大規模修繕3週目:仮設工事設置が進む」にて解説しているので、リンク先からご覧ください。4週目では[…]
防水保証は10年の製品が多いです。
10年で全くダメになるというわけではありませんが、端部がめくれり割れたりしてますので当管理組合は防水の液体で再度固める方法を検討です。
次は実際にあった大規模修繕の不具合事例から裁判までに発展した内容をまとめていきたいと思います。
タイル剥落:裁判となった内容は?
神戸市の高層マンション:アパホーム
アパホームは竣工平成17年完成から2年後の平成19年に耐震強度の偽装が発覚していました。
(完成時期は当マンションと同じで平成17年/2005年ですね。)
2007年5月「アパタワーズ神戸三宮」などで耐震強度偽装が発覚し、その内容の偽装が不具合が2014年4月にマンションの耐震補強工事が完了と約7年近く改修に時間がかかる中で住民も住んでる中で実施されたみたいです。
マンションでは完成から約9年半後の2015年3月、14階からタイル(幅約1・5メートル)が落下した。その後の調査で、はく落やはがれやすい「浮き」の状態が建物全体で14・86%、最も割合の高い建物南側で35・75%を占めると判明。住民らでつくる管理組合は借金などして外壁を修繕した。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202101/0014034064.shtml
姉歯問題が一時期話題となりましたが、このアパの耐震強度偽装問題は2005年11月以降、アパグループはマンションやホテルで、耐震性地震に対する構造計算書の偽造や、建物の強度不足が様々な箇所で判明してました。
この改修工事は販売会社が費用を全額負担して耐震補強の工事を行うことで住民側が合意したなかで、2014年にようやく工事が完了しましたとの事ですが・・・
調停書では、大木建設に1億1千万円、施主のアパホームに約540万円の支払い義務を認めた。住民女性(69)は「謝罪の言葉がないのは残念だが、施工時の問題という主張が認められてよかった」と話した。
アパグループは「和解協議に応じて解決した。具体的な内容を明らかにするのは差し控えたい」とした。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202101/0014034064.shtml
大阪のサニークレスト平野西脇のタイル剥落
1999年に竣工したマンションですが、12階建ての鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)で成建築都市設計事務所と横浜のマンション傾斜問題で有名な熊谷組です。
SKYリアルエステート(大阪市)が賃貸案件として保有するマンションですが
2012年3月に10階付近のタイルが横一列に浮いているのを発見。
2012年9月指摘を受けた熊谷組は、に西側妻面に足場を設置し、打診検査でタイルの浮き状況を調査した。
同社が提出した調査書には、検査した西面の約14%で浮きを確認したと明記。
特に2階は50%、4階は42%、12階は40%と浮きの比率が高かったとの事です。
建設会社の見解としては熊谷組は調査報告書で、浮きの比率が高い3フロアについて「何らかの施工上の不具合があった可能性は否定できない」として、無償での補修に応じる意向を示した。しかし、ほかのフロアについては「経年劣化と思われる浮き」と判断して有償での補修を要望。
すべて無償での補修を求める所有会社と対立した。 その後、南面や東面でも同様の不具合が見つかったため、SKYリアルエステートは自社で負担した約5600万円の補修費を含めた損害賠償を求めて提訴。
結果裁判への流れへ、外壁タイルに大量の浮きが発生したのは施工不良が原因だとして、マンションの所有会社が施工者の熊谷組を相手取り、約7000万円の損害賠償を求める訴訟を、大阪地方裁判所に起こしたとの事です。不法行為に基づく賠償請求問題となったマンションは築16年。
瑕疵担保責任の時効である10年を過ぎると、設計者や施工者の責任を問うことは難しいです。
不具合があれば診断してもらうのも一つですね
マンションも戸建てもそうです。なかなか見積もりの方法に迷います
大規模修繕は特殊ですので一概に見積もりをすぐにコレって決めるわけにはいかないので
一度相場を見積もりを取得してみることが大切です。
戸建ての外壁塗装などは見積もり比較してくれるところはありますがマンションはなかなか難しいです
- マンションの該当から選択して
- 金額は1000万以上になるのがほとんどです
- 理事長か副理事長などの役員名で申し込んで相場確認してもいいですね
- マンションの大規模修繕なので金額は大きくなりますので
- 大手のリフォーム会社も登録紹介してくれるので安心です
まとめ
両事例からしても当マンションが抱える施工不良に類似しており、必ず販売会社・建築会社は施工不良等を認めたくない為【経年変化】のキーワードが何回も出て来てます。
タイルの剥がす前の下地調査結果等は早めに行い、責任区分を明確にして対応しないと管理組合も大変になります。
まずは、当マンションのように調査を進める中で建築士等の意見を仰ぐ事もいいかも知れませんね。
次回、6週目の工事記録は以下になりますので、是非引き続きご覧ください。
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