シーリング(コーキング)の撤去/交換作業とは?
シーリング(コーキング)は、窓やサッシの水の侵入を防ぎ、建物の揺れを吸収する材料です。
工事現場では、シーリングもコーキングも同じ作業を表しますが通称で以下のように区別している現場もあります。
- シーリング材…あらかじめ形が決まっているもの
- コーキング材…チューブ状のものを絞り出して使う
一般的なシーリングの耐用年数は8年位と言われていますが、磁器タイル打継ぎ目地の様に露出している場合と、吹付けタイル打継ぎ目地の様に塗膜で保護されている場合とでは異なります。
また、紫外線の影響を受けやすい南面バルコニー側のサッシ廻りと、北面で殆ど紫外線が直接当たらない解放廊下のサッシ・鋼製建具廻りシールでは劣化の進行状況が異なります。
また、強風が当たる場所、紫外線が強く当たる西日の射す場所、微細な施工不良などによっては、もっと早い段階からシーリングの劣化などが始まる場合も数多く見受けられます。
反対に、完成から15年を経ても問題のないシーリングも数多くあります。
つまり、シーリングは一様に寿命を特定出来るものではありませんが、一般論を言えば10年前後と言うことです。
しかし、どんなに環境が良く、施工状態が良くても20年も劣化もせずに持ち続けると言うことはあり得ないと考え、磁器タイル打継ぎ目地などシーリングを使った建物では、定期的な点検は不可欠となります。
大規模修繕の場合は、既存のシーリングを撤去してあらたにシーリングを充填する為、時間が掛かります。なかなか取れないので撤去する時間が掛かります。
既存のシーリング撤去が不十分だと、せっかくシーリング打替えをした意味がありません。ここは、大規模修繕でも写真でも確認し管理組合の方も確認必要です。
手抜きする業者さんはは撤去せずに上にかぶせるだけの作業を行うので 注意しておく必要があります。
コーキング(シーリング)には種類も使用用途も様々
シリコーン(コーキング)材は、様々な用途で使われるので、目的によって用途等が違います。
使う場所によって異なるので、自分たちで使用するときは注意して購入するようにしましょう。
シリコーン系シーリングの用途
ガラス・金属の取合いに用いられます。 クリア(透明系)があるのはシリコーン系のみ。シリコーン系のシーリングを施工した場合、打替えはシリコーン系しかできません。シリコーン系は塗装が出来ません。
ポリウレタン系シーリングの用途
ALC・コンクリートの壁・サッシの取合いで塗装面に用いられます。上から塗装することが可能です。
変性シリコーン系シーリングの用途
シリコーン系・ポリウレタン系の中間に位置するのが変性シリコーン系です。塗装する事も出来ます。 露出で使用することも可能です。
シーリング、コーキング工事の施工単価
見積もりにもこのように出てきます。
シーリング工事(1m単価)700から1200円ぐらいですが、使用する場所や、サッシのように細いシーリングする部分とタイルの目地のように太い部分では値段が変わってきます。
何メートルもある部分だと1mあたりの単価で可能ですが、少しだけの場所では一式工事になります。
細かい部分工事中にどうしても必要な部分が出てきますが、この算出が難しい部分は「雑シール」と呼ばれ、見積もりに乗っています。
おおよその算出費用は以下の通りです。
- 【シーリングの費用の目安】
- シーリング打ち替え工事の参考単価
- 700から1200円/m
- シーリング打ち増し工事の参考単価
- 500から900円/m
- シーリング打ち替え工事の参考単価
シーリングの施工手順
- 古いシーリングにカッターナイフで切り込み入れます
- シーリングを引っ張って撤去します
- プライマー等の接着剤を塗ります
- 新しいコーキング(シーリングを流し込み
- ヘラで押さえます
- 固まるまで絶対に触らないように(2~3日)
今回の大規模修繕でコーキングシーリング打ち替えはどうなる?
大規模修繕工事では磁器タイル目地・吹付けタイル目地・各種サッシ廻り・鋼製建具廻り・アルミ支柱根回り・ガラリなどが打替えの対象になります。
全体予算の関係上、第1回目の修繕工事の際にはあまり傷んでいないシールに関しては行わない場合もあります。
仮設足場を必要とする外壁目地・外壁窓廻り・バルコニーサッシ廻りなどは必須項目ですが、比較的紫外線に当たることが少なく、足場を必要としない北面の解放廊下のサッシ・鋼製建具・アルミ支柱・ガラリなどは後からでも施工は可能です。
建物の調査・診断内容にもよりますが、全体の予算配分を考慮しながら劣化の状況を適切に判断し、より無駄のない合理的な修繕計画を練る必要があります。
補足:工事中の節水と水道利用に注意!
工事中の水道料金は管理組合で一時的に負担し、後日精算がほとんどです。
水道は共用部から分岐して使用しているので工事中の増加分をそれ以前と比較して報告 をもらい、使用料は施工者負担なので内訳記載の実数対象の後日精算の対象となります。
職人さんによっては水を出しっぱなしにして、掃除等で大きく水を使う人もいますが、いくら後日精算でも大事に使うことが大切です。
精算しない大規模修繕工事業者もいるので注意して見積を見る必要があります。
まとめ
今回は、9週目に入り、タイル撤去後の高圧洗浄・塗装下地塗り・シーリング(コーキング)の撤去と交換作業が始まりました。
いよいよ本格的に修繕工事が始まり、これからどのようにきれいに修繕されていくのか完成が楽しみになりますね。
前途多難な工事ですが、日々作業をしている現場の方の作業を尊重しながら、日々の作業内容を解説していきたいと思います。
10週目の工事記録はこちらになりますので、引き続きご覧ください。
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