建設キャリアアップシステムのメリット
では、この建設キャリアアップシステムに登録するとどんなメリットがあるのか解説していきます。
技能者側のメリット:建退共とは?
技能者側のメリットとしては、
- 技能を適正に評価されるので現状の処遇を改善することができる
- 技能者自身のキャリアを簡単に証明できる
- 退職時の建退共掛け金を漏れなく積み立ててくれる
※建退共掛け金とは
建設業を営む事業主の方が、対象となる雇用者の方々の共済手帳に、働いた日数に応じて、掛金となる共済証紙を貼り、その方々が建設業で働くことをやめたときに、独立行政法人勤労者退職金共済機構・建設業退職金共済事業本部(建退共)から退職金が支払われます。
厚生労働省『建設業退職金共済制度』
この建退共掛け金が正確に積み立てられていないという課題があったため、建設キャリアアップシステムに導入されることとなりました。
この制度は2023年度を目途に建設キャリアアップシステムにおいて原則化される予定となっています。
事業者側のメリット
事業者側のメリットとしては、
- 公共事業の加点になる自治体がある
- 経営審査事項の加点になる
- 技能者の施工能力や初回保険加入状況が分かる
- 技能者の出面管理が簡易になり支払い賃金根拠も明確にできる
元請業者としては、
- 現場管理も効率化を図れる
- 事務作業の手間が省ける
という点が挙げられます。
公共事業の加点になる自治体とは?
加点とは、「工事成績評定」において、主に公共事業の工事が完成した段階で発注者が工事ごとの施工状況や出来具合、技術提案などを採点する際の評定を指します。
この工事成績評定で評価されている事業者は、国土交通省のサイトでランキング形式に公表されているので発注者側はこれを閲覧し、成績の良い事業者に発注を頼む、という流れに繋がるのです。
つまり、このような評価を建設キャリアアップシステムに加入している事業者に対して、公共事業を行う際には加点をしてくれる自治体がある、ということです。
経営審査事項とは?
経営審査事項とは、公共事業を発注者から請け負う際に必ず受けなければならない審査のことです。
審査は、主観的事項と経営状況・経営規模・技術力・その他の審査項目(社会性等)といった客観的事項と合わせて数値化し、順位・格付けがされます。
つまり、建設キャリアアップシステムに加入していることで、審査評価に加点される、ということです。
建設キャリアアップシステムのデメリット
技能者側のデメリット
- 登録の手間がかかる
- 登録料が10年に1回かかる
この登録料は2,500円の技能者登録料がかかることを指します。
- 申請方法 登録料(税込)
- インターネット 簡略型 2,500 円
- 詳細型 4,900 円
- 認定登録機関 詳細型 4,900 円
認定登録機関って・・・行政書士とかの代行して登録申請してくれる人ですね
つまり、この費用は一人当たりにかかるので、技能者を抱えている事業者ほど負担が大きくなる、というデメリットがあります。
事業者側からのデメリット(事業者負担)
- 登録料が5年に1回かかる
- 管理者ID利用料が毎年かかる
- 登録の手間がある
元請業者としては、
- 現場利用料がかかる(利用頻度に応じて)
- 登録の手間がかかる
技術者・事業者共に登録の手間がかかること、登録料や管理者ID利用料がかかることが主なデメリットとなっています。
資本金が大きい事業者ほど、大きな負担となるかなと思います。
現場入場の度に10円かかる
ちなみに、現場利用料とは、カードリーダーをかざして技術者のICカード情報を読み取る際に料金が発生します。
この現場利用料は、1日1回カードリーダーをかざす度に10円かかるようになっています。
例えば、1日当たり30人で現場に当たるとします。
- 30×10=300円
- 300円×30日=9000円
となります。
工事の規模や技術者の人数によっては、この現場利用料は大きな負担となりますので、元請業者としては、結構なデメリットになるかもしれませんね。
でも、こんな情報2021年12月報道で発表されていましたので見てください。
2021年度のCCUSのニュース
24日に決定した2022年度予算案で、厚生労働省は建設事業主などへの助成事業に前年度比12・3%増の68億40百万円を計上した。「人材確保等支援助成金」の新メニューとして、建設キャリアアップシステム(CCUS)の普及促進事業に対する助成コースを設ける
日刊建設工業新聞 » 22年度予算案/厚労省/CCUS普及へ助成メニュー新設 (decn.co.jp)
清水建設は優良技能者手当の支給対象をレベル4保持者から選定し、1日当たり3000円を支給している。西松建設はレベル別に日額手当を支給する優良技能者制度を導入している。支給額はレベル2が500円、レベル3は1000円、レベル4が2000円。特に模範となる技能者には3000円を支給する。
奥村組は優良職長の認定条件に「CCUSカード保持」を加え、カードの色に応じた手当を検討している。村本建設は上級職長である社内マイスターの認定でCCUS登録を必須にした。マイスター手当をレベルに沿った形で年度内に変更する予定だ。
国交省は4社に加え、▽鹿島▽東洋建設▽五洋建設▽大林組▽大林道路-の5社の取り組みも優良事例として報告。優良職長の認定にCCUS登録を利用するケースが多い。
日刊建設工業新聞 » ゼネコンら/CCUSレベル別に手当支給/評価基準再編、国交省は優良事例を水平展開 (decn.co.jp)
建設キャリアアップシステムの申請方法
前提として、技能者個人がシステムに登録する場合は、事業者もシステムにあらかじめ登録しなければ技術者登録はできません。
登録申請の審査には、1カ月~3カ月ほどかかります。
登録する手順としては、事業者登録を済ませてから技能者登録をするようにしましょう。
自分のスキルアップと生活をアップさせるには?
建設業で若いことは現場に夢中ですよね。でもスキルアップも当然必要ですが自分の生活をアップするも大切ですそのために必要な5つ
その①:自分の生活を磨くスキルアップ:体つくり
現場で動くのと運動で使う筋肉は違いますよね。更に体を作りこむのもあり
その②:自分の生活を磨くスキルアップ:旅行
現場やってると現場に夢中になって家庭と向き合わない・時間が取れない現場も都合よく合わせてくれない。あそこに行きたいと思うなら早めにいくのがおススメですね
その③:自分の生活を磨くスキルアップ:彼女をつくる
一番は彼女も作るのも大変だし携帯で探してみるのも今の時代にあっているのでおススメですね。
まとめー建設キャリアアップシステムは登録するべき?ー
ズバリ、公共事業の受注が多い事業者は、利用することをおすすめします。
先述したように公共事業の入札に参加している事業者にとって建設キャリアアップシステムが加点対象となることは、大きなメリットになりうるシステムです。
つまり、公共事業の受注が多い事業者は建設キャリアアップシステムを利用することで事業拡大への糧にもなるといえます。
ただ、導入した方が経営が成り立たなくなる可能性があるのであれば、導入しなくてもよいのではないかと思います。
しかし、今後導入する事業者が増加していくと義務でなかったのに入らざるをえなくなったなんてことがあるかもしれません。
今後の動向を探りながら検討していくようにしましょう。
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