地山の掘削及び土止め支保工作業主任者:安全基準
国土交通省が出している「安全衛生規則」には、掘削作業を行う際の安全対策が書かれています。
その規則を要約し、具体的な安全対策をとるとするなら、
- 形状、地質及び地層の状態、亀裂、含水、湧水及び凍結の有無や状態、埋設物等の有無や状態、高温ガス及び蒸気の有無や状態といった地質調査を綿密に行う
- 綿密な地質調査から具体的な施工計画や作業計画を作成する
- 掘削する地山と掘削面の勾配から安全な掘削方法をとる
- 自然災害の発生後及び発破後は必ず点検をする
- 掘削が2m以上の深さを掘る場合は、作業主任者を選任する
- 作業主任者が、作業の方法を決定し作業を直接指揮するようにする
- 作業主任者が器具及び工具を点検し、不良品を取り除くこと
- 安全帯やフルハーネス及び保護帽及びヘルメットの使用状況を監視すること
- 建築物の近くで掘削をしない
- 作業計画には、機械の作業範囲・運行経路を定め、運転者と作業者に周知する
- 地下水や雨水はポンプでくみ上げて排除する
といった安全対策を講じるとともに、作業に関わる方たちにも周知していくようにしましょう。過去問まとめ:2級土木施工管理技士:10年分ダウンロード/学科・実地試験(経験記述対策)とおすすめの通信教育講座でも問題として出てきますので知識として・・・
以下の表は、掘削する場合に守るべき掘削面の高さと掘削面の勾配を地山の種類ごとにまとめています。
是非参考にしてみてください。
地山の種類 | 掘削面の高さ/掘削面の勾配 |
---|---|
岩盤や堅い粘土からなる地山 | 5m未満 90° 5m以上 75° |
その他の地山 | 2m未満 90° 2m以上5m未満 75° 5m以上 60° |
砂からなる地山 | 5m未満 35°以下 |
発破等で崩壊しやすい地山 | 2m未満 45°以下 |
地山の掘削及び土留支保工作業主任者講習とその作業内容
作業主任者の業務は、職長と安全衛生責任者とは違うその業務に対して工事前の着手の打ち合わせ確認が業務に求められます。
つまり、作業の開始する指示を現場で指揮命令を直接することが業務として求められるのです。
先述したように作業主任者は使用する工具や機械の点検、機材の破損がないかの確認等も作業主任者の大切な役割です。
さらに、その作業に対して使用する、保護具等の着用使用等を確認し作業者に使用を指示するのも大きな役割となっています。
以下の記事では、職長になる際に知っておくべき内容を解説しているので、作業主任者を目指す方は是非チェックしてみてください。
この記事では、職長安全安全衛生責任者と職長の違いについて解説していきたいと思います。また、現場での統括安全の重要性なども合わせて解説していきたいと思います。と、実際どんな資格内容なのかよく分からないですよね。そこで[…]
土留支保工受験資格にはどのような経験が必要?
この資格の受験資格は以下のようになってます。
- 地山の掘削及び土止め支保工の切り張り又は腹起しの取付け又は取外しに関する作業に3年以上従事した経験を有する者。
- 学校教育法による大学、高等専門学校、高等学校又は中等教育学校において土木、建築又は農業土木に関する学科を専攻した者で、その後2年以上地山の掘削又は土止め支保工の切り張り又は腹起しの取付け又は取外しに関する作業に従事した経験を有する者。
- その他厚生労働大臣が定める者
法の改正以前に地山掘削だけ取得した人もしくは、土留め支保工だけ取得した人は講習時間は短縮されます。
ただ、詳しい内容は指定講習機関に問い合わせするようにしましょう。
土留支保工受講のカリキュラムと講習時間は?
作業主任者講習は三日間で行われます。
そのカリキュラムの内容は以下のようになります。
- 作業の方法に関する知識(地山の掘削方法・浮石・埋設物の処理、湧水の処理及び排水の方法、法面防護の方法、土砂及び岩石の性質、土留め支保工の種類、材料・構造・組立図、土留め支保工の切りばり・腹おこし等の取り付け及び取り外しの作業に関する知識)
- 工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識(工事用設備及び機械の取り扱い、電気及び内燃料機関器具及び工具、危険防止の措置)
- 作業に対する教育等に関する知識、関係法令(労働安全衛生法、労働安全衛生規則、クレーン等安全規則等)
講習は三日間で行われる中で上記の内容を勉強した中で最後に修了試験があります。
地山掘削土留支保工作業主任者の資格を取るとこんなメリットが
先述したように、地山掘削土留支保工作業主任者の資格を取得すると、作業の安全管理をすることができるだけではありません。
他にも、「建設キャリアアップシステム」において技術者としてキャリアアップすることができます。
建設キャリアアップシステムでスキルアップをしていけば最終的には「登録基幹技能者」、つまり職長のなかの職長として働くことができます。
そうした技術者になるためには、地山掘削土留支保工作業主任者の資格だけでなく、以下のような資格も必要になってくるので、良かったらのぞいてみてください。
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一番のメリットは仕事を任せてもらえる≒給与アップ?
まとめ
今回は、地山掘削土留支保工作業主任者について解説していきました。
まとめますと、
- 地山の掘削作業が2m以上であれば、作業主任者を選任する
- 作業主任者は、掘削作業をするときは掘削面の高さと掘削する勾配をしっかり把握しなければならない
- 崩壊を防ぐために土留志保工の作業も行わなければならない
- 講習には受講資格があるので注意する
- 作業主任者資格を取得すると、建設キャリアアップシステムでの評価が上がる
ですね。
地山の掘削及び土止め支保工作業主任者技能講習はトンネル工事や地下の躯体構築を行う人が受講する資格ですが、造成工事や水道管工事等でも必要になってきます。
重機土工行う会社では必須の資格になります。車両系建設機械の取得だけではなく地山や土留に関しても知識をつけてスキルアップできる資格になります。
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