掘削箇所の既存壁の根入れと床付け面は同じ高さ?
既存壁をさらに見ていきますと
- 既存壁(土留壁)が倒れないように、土圧に耐える為に切梁と腹起しが設置されています。
- 普通考えるならもう一段ぐらい土留支保工が設置されていてもいいのですが設計で既存壁に耐力があるということで算定されたのかもわかりませんね。
- この土留支保工は地下深く掘っていく度に段数重ねて設置していくのですが1段梁しか施工していない。
- 昇降設備を見るとおおよその掘削深さは5段ほど足場が組まれてるので10m近くまで掘られてます
- 既存壁を見ると、直立しているのがわかるが土圧に耐えれるベースが無い・土の面と同じ高さ
- 既存壁のズレは道路面から中間杭近くまで滑動しており4m程度ズレているように見えます
- また、床付け面を見ると青いホースが無造作に置かれてますが、水中ポンプのホースで水を排出するのに使っていたように思われます。地下から水が出ていたように推測されます
少し怖い状態であります。
この壁の頂上の方はサポート(支保工)でサポートされていますが、切梁(支保工)をもう一段下の補強をしておいた方がよかったように見えます。もしかしたら?これから設置という状況でもなさそうですが・・・・
土留支保工の設置後は、大きな地震も最近ありましたが点検等の記録はちゃんとされていたのか?など気になりますが、写真からみた考察はこんな感じですね。
実際の工事状況の確認として
おそらく工事中はこのようにして、常に地下へバックホーを使い残土搬出を繰り返していように思えます。
この状況であれば、地上の方には土留支保工が設置されているので、常に横からの押す力(土圧)が均等になっており床付け面までもまだ土が残っているので作業箇所は安定している状態で問題なかったように思えます。
こうやって地下の実際に構築物を作成していく場所まで繰り返し掘っていきます。
ここに問題があった?沈下・陥没の原因?
床付けまでだいたい掘削が完了が近づいてくるに伴い、土圧が常に掛かって状態で隙間から雨などで少しづつ、道路面の土が工事中の現場に流れこんできた。(トコロテンみたいな感じで狭いとこからにょろにょろって少しづつ、誰も気づかない)
た水中ポンプで地下から湧き出る水を吸い取るときに、当然土も一緒に吸っているので、見えない中で少しづつ工事中の箇所に道路の土が流失してきて隙間が生じてきている可能性がある。
また、こちらの吉祥寺あたりの土質は、株式会社会社ジオテックの市区町村別地盤解説を見てみますとこのような考察があります。※ボーリングでの調査
典型的な関東ロームの台地とも考えられます。しかし、上部約2m程度はかなり軟質なふかふかとした土となっているようです。
このデータのように、地表から1mを超えるほどの軟弱層がある場合、単純な転圧などでは締固め効果を期待できないため、適切な地盤補強が必要と診断されました。
とあります。その中で考えていくと確かに住宅を建てるのはそうかも知れませんが、こちらの既存壁を作るときに昔に地下10m近くまで掘って、道路側も埋戻ししているのでこの調査記録でみると2m程度はふかふかの土かも知れませんが、実際は埋戻しに山砂等の埋戻ししやすい材料を使っ可能性もあります、道路の土は流失しやすい状態だったかも知れません。
そこで考えられるのは、ヒービング現象というのを聞いたことありますか?もしかしたら今回の沈下の要因はこちらではないか?
今回の沈下陥没の要因はヒービング現状による?
ヒービングは、掘削底面付近に柔らかい粘土層がある場合、主として沖積粘土地盤で、含水比の高い粘土が厚く堆積する場合などで起こりやすいとありますが、今回は関東ロームで既存の土留壁の埋戻しをした埋め戻し材が何かわかりませんが、地下からの湧水や既存壁(土留壁)のベースもない、掘削面と既存壁(土留壁)が同じ高さ根入れがないことで、壁の下がブラブラの状態。
ブラブラの状態で掘削をしていく中で土留め背面の土の重量や土留めに近接した地表面での上載荷重(下に押す力)と2段梁がないこと土圧を受けやすい状態でだった。
その結果、湧水から掘削の床付け面へ土砂が流れて、土留め壁のはらんで根入れ(土留壁のベース)滑りだしてきて結果、周辺地盤の沈下が生じ最終的には土留めの崩壊にしたようにも考えられます。
つまり今回の道路が沈下した要因には個人的な見解としては、施工での起因する部分があったように思われます。
では、最新の武蔵野市の吉祥寺陥没事故の専門家の見解はこちらに追記しておきます