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インフラツーリズム:北海道釧路空港から帯広・富良野を通るダム/土木遺産巡り

2021年10月27日インフラツーリズム

この記事では、北海道釧路空港から出発し、帯広・富良野を目指してダムなどの土木史跡・建築遺産を巡るインフラツーリズム旅を解説していきます。

インフラツーリズムとは、インフラ(生活の基盤となる建築物:ダムや橋など)を観光する(ツーリズム)新しい旅の様式です。

近年、日本各地のダムをカードにした「ダムカード」、日本各地の土木遺産をカードにした「土木遺産カード」などを集める目的で日本各地のインフラを観光する方が増えてきています。

特に、北海道は開拓時代の土木遺産が数多く現存している貴重な建築物が多く立ち並んでいます。

そこで、今回はそんな北海道のなかからピックアップして釧路空港から、帯広通り、最終地点:富良野を目指すインフラツーリズム旅のおすすめスポットを紹介していきます。

インフラツーリズムで各地を観光するにあたり注意していただきたいのが、

インフラツーリズムでは、触らない・見ることを前提で機械や工具がない中でどのように施工したのか?運搬や配送はどうやって行ったかなどを考えて、昔の施工技術や景観を楽しむツアーになります。

景観を踏み荒らさないこと、触らないことを必ず守りましょう。

中には立ち入り禁止になっている場合おあるので、来訪の際は最新の情報を確認しておくようにしましょう。

釧路へ出発する前は、こうした下のようなサイトを活用して事前に予約しておくと、旅とより楽しめるかと思いますので是非参考にしてみてください。

こうした注意点を守り、土木施工管理技士なら一度は行ってみたい函館からの土木遺跡を実際の旅行ルートを解説していきます。

インフラツーリズム:北海道釧路空港~富良野のスケジュール

今回の旅は、釧路空港から出発し、帯広を通って最終地点である富良野を目指すインフラ旅です。

新千歳空港までは、羽田空港からの離着陸になっていますが、実際の発着時刻などは最寄りの交通機関を事前に調べて出発するようにしておきましょう。

釧路空港から富良野間の移動手段はレンタカーを使用して巡るルートになっています。

他の交通手段を使用する場合は、事前に調べておくようにしましょう。

また、今回の旅は1泊2日の旅になります。

1日目は釧路空港から帯広までにある土木・建築史跡を巡り、2日目は帯広から富良野の間にある土木遺産を巡るといったスケジュールになります。

では、実際のタイムスケジュールを計画してみましたので、参考にしてみてください。

1日目:釧路空港から帯広までのインフラツーリズム旅スケジュール

1日目のスケジュールは以下の通りになります。

TimeSchedule
9:20釧路空港に到着
レンタカー手配を確認して配車手配 1日目は帯広へ向かって往年のインフラツアーを楽しむ
10:00最初の目的地「新釧路川」に到着
12:00お昼ご飯へ 道の駅ステラに到着
14:00糖平ダム到着
16:00十勝川千代田堰堤到着
17:00帯広周辺を観光&自由散策

1日目のルートはこのようにまわっていきます。

2日目:帯広から富良野へ行くインフラツーリズム旅

2日目のスケジュールは以下の通りになります。

TimeSchedule
9:00帯広のホテルを出発
10:002日目の最初の目的地「岩松ダム」へ到着
11:30金山ダムへ到着
13:00聖台ダムへ到着
13:30お昼休憩・自由散策へ

2日目のルートは以下の通りになります。

では、それぞれ観光する土木遺産を解説していきます。

インフラツーリズム:北海道釧路から帯広の土木遺産を巡る

1日目の旅は、釧路空港から出発します。

釧路空港は、釧路湿原を中心として生息している「たんちょう」を象徴し、別名「たんちょう釧路空港」とも呼ばれています。

タンチョウは日本最大の鳥であり、また特別天然記念物にも指定されています。

そんなタンチョウを象徴とする釧路空港には魅力的な施設が多くありますが、次の目的地へ出発しましょう。

新釧路川

新釧路川は釧路空港から車で30分のところに位置しています。新釧路川は、岩保木地点を中心に、釧路川から分かれて釧路市街地を抜けて太平洋へと注ぐ一級河川です。

大正9年に釧路川では洪水により、甚大な被害が起こりました。そのため、これを契機に大正10年、釧路川の上流流域から切り離す新水路を掘削する工事が行われていきました。

その当時では珍しかったエキスカベーターを使った掘削が行われ、また護岸にコンクリートを用いる工法が採用された最新的な掘削工事でもありました。この工法は、札幌市街地を流れる豊平川などの護岸工事にも採用されています。

大正10年から釧路川の新水路掘削工事が行われ、昭和6年に工事が完了しました。完成以降、釧路市街地では浸水被害がほとんど発生しておらず、地域の安全と発展を支え続けた水路ととして、平成26年には土木遺産に選奨されています。

お昼ご飯におすすめ!「道の駅ステラ ほんべつ」

「道の駅ステラ ほんべつ」では、甘納豆と地産のくり豆を使用した「まめまめソフト」が人気です。

ソフトクリームだけでなく、併設されたパン屋さんでは出来立てのパンを買うことができます。

また、道の駅周辺には公園や歴史資料館といった本別町の魅力を知ることができるところがいくつかあります。

旅の休憩がてら立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

糠平ダム

糖平ダムは、道の駅ステラから約1時間のところに位置するダムです。

戦後間もない1953年にダム建設工事が開始されました。当時では最大の国産建設機械を用いて建設され、ダムコンクリート施工では前例のない蒸気養生を採用することで、寒冷地における短期施工を実現したダム建設でした。

「蒸気養生」とは、高温高圧の蒸気を使って、早くコンクリートの強度を発現させる養生工法を指します。ちなみに、養生とは、55°~75°の蒸気中にコンクリートを4~10時間保持する工法です。この蒸気養生を用いた工法は、道路コンクリート二次製品(生コンを工場で製品にしたもの)・コンクリート製ポール(電柱など)・杭などで使われています。

この施工方法を用いたことで、施工開始からわずか3年で運転を開始することができたという偉業を成し遂げました。ダムが完成して65年経った今でも、北海道内の電力供給を安定的にし続けていることが評価され、選奨土木遺産に認定されています。

糖平ダムにはタウシュベツ川橋梁というコンクリート製アーチ橋があります。「タウシュベツ川橋梁」は、糖平ダムが建設されるまで、旧国鉄士幌線の線路として活躍していた橋です。橋梁周辺は糖平ダムの中に沈んでしまっていますが、橋梁自体は原型を留めたまま湖の中に残っています。

晴れた日に湖面に橋が映る様子がメガネに見えることから、「メガネ橋」という愛称でも親しまれています。また、季節や発電によって水位が変化するため、橋梁が全く見えなくなるときもあれば、橋梁全体が見られることもあることから「幻の橋」とも言われています。

崩落する危険性があるので、橋の上は立ち入り禁止となっていますが、橋梁を見学することは可能なので、是非糖平ダムを訪れた際は見学してみてください。



十勝川千代田堰堤

十勝川千代田堰堤は、農業用油水施設として昭和10年に完成し、利用されている施設です。現在は、主にサケマスの養魚用水の取水施設・採卵したサケの捕獲場として利用されている重要な施設です。

壮大な流水の様子とサケが水面をはねる様子を見ることができる観光施設として親しまれています。十勝川千代田堰堤が建設された背景には統内新水路事業による影響があります。

昭和16年に完成した統内新水路は、洪水を早く下流に流せるよう河川を直線にする工事が行われました。洪水による災害を予防することはできましたが、川の流れが速くなったことにより川底か削られ、上流にまで影響を及ぼすようになりました。

川底が削られ、取水ができなくなった問題を打破するため、川底を固定し、床止めや落差工といった工事が行われるようになりました。ただ、床止めなどをしても削られた川底を底上げしなければならないのでかさ上げをする工事を行わなければいけません。

そこで、十勝川千代田堰堤では落差工を2段構えにすることで、安定的の取水をすることができるようになりました。こうした、様々な課題を乗り越えた壮大な景観は観光資源として大切にされています。

インフラツーリズム:北海道帯広駅周辺の温泉付きホテル

さて、十勝川千代田堰堤を観光し、帯広まで来ました。

帯広ならではの様々な観光スポットがありますが、まずは一日目の旅の疲れを癒すためにも宿をとって2日目のインフラツーリズム旅に備えましょう。

そこで、今回は帯広ならではの温泉付きホテルを3つ紹介していきますので是非予約をする際は参考にしてみてください。

帯広天然温泉 ふく井ホテル

〒080-0011 北海道帯広市西一条南11-19[地図を見る]

アクセス :北海道根室本線・石勝線「帯広駅」より徒歩2分
駐車場  :有り 60台 550円/税込・泊

【帯広駅徒歩2分】駅前ホテルでは唯一『自家源泉』。源泉かけ流し100%天然温泉に加え、国産最高級ベッドマットレス全室完備

十勝川温泉 富士ホテル

〒080-0263 北海道河東郡音更町十勝川温泉南14-1

アクセス :JR根室本線 帯広駅よりお車で20分
駐車場  :有り 50台 無料(第2駐車場も有り、十分駐車可能)

北海道エリア人気順総合第3位☆4.83点!サービス第7位☆4.71(2019.6.7)ずいぶん昔の話・・・現在苦戦中

インフラツーリズム:北海道2日目最初の目的地「岩松ダム」

岩松ダムは、帯広駅から車で約1時間のところにある、十勝川本流の上流に作られたダムです。北海道電力が管理する発電専用のダムとなっており、重力式コンクリートダムになります。重力式コンクリートダムとは、コンクリートの質量を利用して、ダム堤体の自重で水圧に耐えるダムです。多くのコンクリートが必要とされる工法なうえ、花崗岩や安山岩といった基礎岩盤なところでないと建設できないなどの条件があります。

近代日本では、多く建設されていたダム工法ですが、現在では良質な岩盤基礎がある地点が少なくなったことから現在では減少傾向にあります。そんな重力式コンクリートダム工法で作られた岩松ダムですが、1939年に北海道で初めて発電所建設を行った最初のダムでもあります。

戦時中の国家総動員法発令直後に日本発送電株式会社が発足されたことにより1939年に着工されましたが、初代所長が更迭されたり、全国から優秀な技術者が集結したにも関わらず、劣悪な環境により多くの犠牲を生んだ施設でもあります。また、1941年に完成したのち、ドイツから送られてきた発電機を導入する計画がありましたが、両国が戦時中であったことから輸入を断念し、国内メーカーの発電機を使用することになりました。

当初の発電予定総量が33,000kwを想定していましたが、70%と大幅に発電量が下がったことから戦後は北海道電力に移管されました。1978年には、帯広発電所で制御されることになり、無人発電所となりました。

発電を主流としていたダムでしたが、上流に十勝ダムがなかったころは、上流からの土砂の流入が激しく、湖の水量が3分の1にまで下がってしまう事態が起こりました。湖の生態系への影響を大きく残してしまうなどの問題がありました。現在では、老朽化した岩松発電所の代替として、2016年に新岩松発電所で運転を開始しました。

戦後初めて発電のためのダムが建設され、様々な課題を残すこととなったダムでしたが、こうした先人の課題があったからこそ今では、安心して電力を賄える設備が整っていると実感できる施設です。

金山ダム

金山ダムは、岩松ダムから車で約1時間ほどの位置にある施設で、石狩川最上流部に建設されたダムです。国土交通省北海道開発局札幌開発建設部が管理する「特定多目的ダム」として認定されています。「特定多目的ダム」とは、国土交通大臣が計画から完成までを一貫して行う多目的ダムのことを指します。

北海道内で唯一の中空重力式コンクリートダム形式とされています。中空重力式コンクリートダムとは、基本的には重力式コンクリートダムと同じコンクリートが主な材料になりますが、ダム内部に中空部を設ける工法を指します。中空部を設けることで、コンクリート輸送量を減らしコンクリートを節約することができる形式となっています。

従来の重力式コンクリートダムに比べて安定性が増すとされていましたが、型枠の複雑さにより、人件費が増すことから将来的に建設される可能性があります。そんな貴重な形式で作られた金山ダムは、1959年に着手され、1967年に運転を開始しました。

日本有数の人造湖でありますが、総貯水量は1億5000万トンにもなり、北海道全道民の生活用水約3カ月分に匹敵するほどの水量を誇ります。ダムの利用目的は、治水(洪水調節・不特定利水)・利水(かんがい・上水道供給・水力発電)の5つとなっています。

運が良ければ、放流する光景を見ることができるので、壮大な放流光景を間近で感じることができるかと思います。

聖台ダム

聖台ダムは金山ダムから約1時間ほどのところに位置するダムで、水田の灌漑を目的に作られたダムです。昭和7年に着工、昭和12年頃に完成した「中心コア型ゾーンタイプアースフィルダム」となっています。

建設工事では当時日本にはなかった蒸気機関車やディーゼル機関車などの大型転圧機械をアメリカやドイツから輸入して進められました。建設作業員は延べ10万人以上も導入するなど、道内では初であり、国内でも最大級の工事でした。

ダムの基礎工事ではグラウト工法が採用されるなどの建設過程が大きく評価され、戦後のダム建設の手本として注目されていました。

戦後70年経った今でも、その形をほとんど変えることなく現存している貴重な土木遺産でもあります。

富良野で泊まりたいインフラツーリズムのあとの宿泊先

最終地点富良野まで着いたら、1泊2日の旅の疲れを癒す宿泊施設を紹介していきます。

ホテル&コンドミニアム 一花 [HITOHANA]

〒076-0034 北海道富良野市北の峰町23-10

アクセス :JR 富良野駅よりお車にて約10分(無料送迎有り。ホテルまでお問合せ下さい)
駐車場  :有り 21台 無料

地産食材のビストロ料理が自慢のワイナリーホテル。ワイナリーツアー毎日催行。スキー場まで1分

天然温泉 紫雲の湯 ラビスタ富良野ヒルズ

〒076-0026 北海道富良野市朝日町5-14

アクセス :JR富良野駅より徒歩3分
駐車場  :有 ホテル駐車場無料

富良野市内一望できる最上階天然温泉大浴場・貸切風呂完備♪ファミリーにも安心なお子様アメニティも充実!

ホテル ナトゥールヴァルト富良野

〒076-0034 北海道富良野市北の峰町14-46

アクセス :JR 富良野駅から車で8分
駐車場  :有り

ルバーアワード2018受賞☆お菓子バイキング等でおもてなし□子供と女性に優しいホテル

まとめ

今回は、インフラツーリズム:北海道帯広から富良野までの土木遺産を巡る旅を紹介していきました。

帯広や富良野はインフラ施設以外にも様々な観光資源が数多くありますが、生活を支えている設備も貴重な遺産として現存されているということが分かったかと思います。

生活を支えている壮大なインフラ施設を間近で感じることができると、また新たな発見をすることができるのではないかと思います。

是非、これからの旅行予定に少し立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

2021年10月27日インフラツーリズムインフラツーリズムインフラツーリズム

Posted by nekomaru