
一級土木施工管理技士の午後「応用能力」では、調達計画(資材・下請・機械)が頻出テーマです。特に、特別注文品の納期、下請発注の考え方、機械台数の計画は、現場実務とも直結する重要ポイントです。
この記事では、過去問No.21を題材に、資材計画・下請発注計画・機械計画の考え方を、猫マンガ・図解・暗記カードで整理し、試験本番で迷わないレベルまで落とし込みます。
- 特別注文品は長い納期が前提。短い納期と書かれていたら誤り。
- 下請発注計画では、労務リスクを分散して確保するのが基本。
- 資材計画は、用途・仕様・数量・納期を明確にし、無駄な費用を最小限に抑える。
- 機械計画は、短期ピークではなく、作業量を平均化する台数設定が正解。
- 過剰在庫は保管費・品質低下・盗難リスクにつながるため、ジャストインタイムを意識する。
- 一括下請負は建設業法違反。分散と丸投げは別物と理解する。
- 「ピークに合わせる」「短い納期」「最大限の費用」など極端な表現は、ひっかけワードとして要注意。
図解で押さえる「調達計画(資材・下請・機械)」の全体像

調達計画は、大きく分けて資材計画・下請発注計画・機械計画の3本柱で構成されます。
- 資材計画:特別注文品、一般資材、保管スペース、納期、品質管理。
- 下請発注計画:職種ごとの専門性、労務確保のリスク分散、契約形態。
- 機械計画:機械能力、作業量、稼働率、ピークと平均のバランス。
試験では、この3つの関係性と、「どのリスクを、どこで、どうやって抑えるか」が問われます。
マンガの内容を文章でイメージ補強
猫マンガでは、現場代理人の「ネコ所長」が、特注の鋼製部材の納期を甘く見積もって工程が遅延しそうになるシーンから始まります。
- 特注品は、図面承認→製作→検査→搬入と工程が多く、長い納期が必要。
- 「安くて早い業者」に飛びつくと、品質トラブルや納期遅延のリスクが高まる。
- 下請業者を1社に集中させると、休業・事故などで工事全体が止まるリスクがある。
- 機械をピークに合わせて大量に入れると、待ち時間が増え、稼働率が低下する。
マンガのオチは、「安さ・早さだけでなく、安定した調達とリスク分散が施工管理の腕の見せどころ」というメッセージで締めくくられます。
用語・原理の深掘り解説(調達計画のキモ)
資材計画:ジャストインタイムと在庫リスク
資材計画では、用途・仕様・数量・納期を明確にし、必要なときに必要な量だけを入れることが理想です。
- 特別注文品:製作期間が長く、図面承認の遅れがそのまま工程遅延につながる。
- 過剰在庫:保管スペースの圧迫、品質低下、盗難・紛失リスク、資金の固定化。
- 不足:工事の手待ち、工程の乱れ、緊急手配によるコスト増。
試験では、「無駄な費用の発生を最小限にする」という表現が正解ワードとしてよく使われます。
下請発注計画:分散と丸投げの違い
下請発注計画では、すべての職種の作業員を元請が常時確保するのは現実的ではないため、専門性の高い作業は下請業者に任せるのが一般的です。
- 分散:複数の下請に発注し、労務リスクを分ける考え方。
- 一括下請負:工事全体を丸投げする形態で、建設業法で原則禁止。
- 元請の責任:品質・安全・工程・原価の最終責任は元請が負う。
選択肢で「すべてを下請に任せて責任を移転する」といった表現があれば、×(不適当)と判断します。
機械計画:平均化とピークのバランス
機械計画では、バックホウやダンプなどの能力をそろえ、作業量を平均化することが重要です。
- ピークに合わせた台数:ピーク以外の時間帯で遊び時間が増え、稼働率が低下。
- 平均化した台数:一日の作業量をならし、安定した施工が可能。
- 能力バランス:バックホウ1台に対してダンプ2台など、能力比をそろえる。
試験では、「短期間のピークに合わせて所要台数を計画する」とあれば誤りで、「平均化して所要台数を計画する」が正解です。
過去問【No.21】調達計画立案(資材・下請・機械)
【No. 21】 調達計画立案に関する下記の文章中の(イ)〜(ニ)に当てはまる語句の組合せとして、適当なものは次のうちどれか。
- 資材計画では、特別注文品等、(イ)納期を要する資材の調達は、施工に支障をきたすことのないよう品質や納期に注意する。
- 下請発注計画では、すべての職種の作業員を常時確保することは極めてむずかしいので、作業員を常時確保するリスクを避けてこれを下請業者に(ロ)するように計画することが多い。
- 資材計画では、用途、仕様、必要数量、納期等を明確に把握し、資材使用予定に合わせて、無駄な費用の発生を(ハ)にする。
- 機械計画では、機械が効率よく稼働できるよう(ニ)所用台数を計画することが最も望ましい。
| 選択肢 | (イ) | (ロ) | (ハ) | (ニ) |
|---|---|---|---|---|
| (1) | 長い | 分散 | 最小限 | 平均化して |
| (2) | 短い | 集中 | 最大限 | 短期間のピークに合わせて |
| (3) | 短い | 集中 | 最大限 | 平均化して |
| (4) | 長い | 分散 | 最小限 | 短期間のピークに合わせて |
正解と解説
正解:(1)
- (イ) 長い:特別注文品は、設計・製作・検査に時間を要するため、長い納期を見込む必要があります。「短い納期」とする記述は誤りです。
- (ロ) 分散:すべての職種の作業員を元請が常時確保するのは困難なため、下請業者に発注を分散し、労務リスクを抑えます。「集中」はリスク増大につながり不適当です。
- (ハ) 最小限:資材の過剰在庫は保管費や品質低下、盗難リスクを招くため、無駄な費用の発生は最小限に抑えるのが正しい考え方です。「最大限」は逆の意味で誤りです。
- (ニ) 平均化して:機械台数を短期間のピークに合わせると、その他の期間で遊び時間が増え、稼働率が低下します。したがって、作業量を平均化して所要台数を計画するのが望ましいとされます。
ひっかけポイントの整理
- 「短い納期」「集中」「最大限」「ピークに合わせて」など、極端な表現は誤りになりやすい。
- 調達計画は、リスク分散・費用の最小化・稼働率の向上がキーワード。
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FAQ:調達計画(資材・下請・機械)のよくある疑問
Q1. 特別注文品の「長い納期」は、どの程度をイメージすればよいですか?
A. 試験では具体的な日数までは問われませんが、「一般資材よりも製作・検査に時間がかかるため、工程の早い段階から手配する必要がある」というイメージが持てていれば十分です。
Q2. 下請への「分散」と「一括下請負」の違いは何ですか?
A. 分散は、複数の下請業者に工種や工区を分けて発注し、労務リスクを分ける考え方です。一括下請負は、工事全体を丸ごと任せる形態で、建設業法で原則禁止されています。
Q3. 機械台数を「平均化して」計画するメリットは?
A. 作業量を平均化することで、機械の待ち時間が減り、稼働率が向上します。また、オペレータの配置も安定し、工程管理がしやすくなります。
Q4. 資材のジャストインタイムは、常に正解ですか?
A. 原則として無駄な在庫を減らすために有効ですが、天候リスクや輸送トラブルを考慮し、重要資材は少し余裕を持たせるなど、バランス感覚も必要です。試験では「無駄な費用の発生を最小限にする」という表現がポイントになります。
Q5. 調達計画の問題で迷ったときの最終チェックポイントは?
A. 「リスクを増やしていないか」「極端な表現になっていないか」を確認してください。集中・最大限・ピーク合わせ・短い納期など、リスクを高める方向の表現は誤りになりやすいです。