
このページでは、一級土木施工管理技士の法規(安衛法)分野から、頻出テーマである作業主任者の選任基準を扱います。特に、地山の掘削、土止め支保工、足場、コンクリート橋梁上部構造の架設などは、数値条件のひっかけが多く、確実な暗記が必要です。
この記事では、過去問をベースに、図解とマンガでイメージを固めつつ、最後に暗記カード形式で重要ポイントを整理します。記事末尾からは、無料PDFで過去問をダウンロードできるので、演習用教材としても活用できます。
- 地山の掘削:掘削面の高さ2m以上で作業主任者の選任が必要。
- 土止め支保工:高さ条件なし。すべての切りばり・腹起こし作業で作業主任者が必要。
- 足場の組立・解体・変更:高さ5m以上で作業主任者の選任が必要。
- コンクリート橋梁上部構造の架設:高さ5m以上または支間30m以上で作業主任者が必要。
- コンクリート造工作物の解体:高さ5m以上で作業主任者が必要。
- ずい道(トンネル)の掘削・覆工:高さ・深さに関係なく作業主任者の選任が必要。
- 試験では「高さ条件あり」か「高さ条件なし」かの区別が頻出。
図解で押さえる作業主任者選任の高さ条件【一級土木施工管理技士・安衛法】

図解マンガでは、現場のキャラクターが「2m」「5m」「高さ制限なし」といったキーワードを会話形式で確認しています。地山の掘削は2m以上、足場やコンクリート橋梁上部構造は5m以上、そして土止め支保工は高さに関係なく常に主任者が必要という対比が、視覚的に整理されています。
特に、「土を掘るだけ」なのか「掘った土を支える構造物を扱うのか」という違いが、作業主任者の必要性に直結する点が重要です。図解を見ながら、どの作業にどの数値条件が対応しているかを、声に出して確認すると記憶に残りやすくなります。
マンガでイメージする「高さ」と「作業内容」の違い
マンガでは、現場監督と新人技術者が、同じ「掘削」でも地山の掘削と土止め支保工の作業で、作業主任者の要否が変わることに戸惑うシーンが描かれています。
新人は「2m以上なら主任者が必要なんですよね?」と一括りに覚えようとしますが、監督は「土止め支保工は10cmでも主任者が必要なんだよ」と指摘します。このやり取りが、高さ条件の有無という試験のひっかけポイントを、そのままストーリー化したものになっています。
また、足場やコンクリート橋梁上部構造の架設では、「5mのライン」を境に作業主任者の選任が必要になることが、現場の断面図とともに示されています。マンガのイメージと数値をセットで覚えることで、選択肢の正誤判断が格段に速くなります。
用語と原理の深掘り解説:地山の掘削・土止め支保工・足場・橋梁架設
地山の掘削(2m以上)
地山の掘削とは、自然のままの地盤を掘削する作業を指します。一級土木施工管理技士の試験では、「ずい道及びたて坑以外の坑の掘削を除く」という条件付きで問われることが多く、掘削面の高さが2m以上になると作業主任者の選任が必要になります。
2mという数値は、人が転落した場合の致命傷リスクや、崩壊時の土圧を考慮した基準であり、現場では土質や地下水条件によって、さらに安全側の対策が求められます。
土止め支保工(高さ制限なし)
土止め支保工は、掘削した土が崩れないように支える構造物であり、切りばりや腹起こしなどの部材で構成されます。安衛法では、土止め支保工の組立て・解体・変更については、高さに関係なく作業主任者の選任が義務付けられています。
これは、支保工の設計・施工を誤ると、小さな掘削でも一気に崩壊し、埋没災害につながるためです。試験では、「地山の掘削は2m以上」「土止め支保工は高さ制限なし」という対比で出題されることが多く、セットで覚える必要があります。
足場の組立て・解体・変更(5m以上)
足場は、高所作業を行うための仮設構造物であり、組立て・解体・変更のいずれの作業も、高さ5m以上になると作業主任者の選任が必要です。ここで重要なのは、「変更(組み替え)」も対象である点です。
試験では、「組立て・解体のみ」と記載して誤りにするパターンがよく見られます。「組立て・解体・変更」の3つセットで覚えておきましょう。
コンクリート橋梁上部構造の架設(5m以上または支間30m以上)
コンクリート橋梁上部構造の架設は、高所かつ大スパンで行われる危険度の高い作業です。安衛法では、高さ5m以上または支間30m以上の場合に作業主任者の選任が必要とされています。
過去問では、「高さ4m」「支間25m」など、基準値より少し小さい数値を用いて誤りの選択肢を作ることが多いため、5m・30mという数字を確実に押さえておくことが重要です。
過去問【No.52】作業主任者の選任が必要な作業はどれか
問題文
【No.52】 次の作業のうち、労働安全衛生法令上、作業主任者の選任を必要とする作業はどれか。
選択肢
(1) 掘削面の高さが1.5mの地山の掘削(ずい道及びたて坑以外の坑の掘削を除く)の作業
(2) 掘削面の高さが2mの土止め支保工の切りばり又は腹起こしの取付け又は取り外しの作業
(3) 高さが3mの構造の足場の組み立て、解体の作業
(4) 高さが4mのコンクリート橋梁上部構造の架設の作業
正解
正解:(2)
各選択肢の詳しい解説
(1) 掘削面の高さが1.5mの地山の掘削
地山の掘削については、掘削面の高さが2m以上となる場合に作業主任者の選任が必要です。本肢は1.5mであり、基準値に達していないため、作業主任者の選任は不要です。
試験では、「1.5m」「1.8m」など、2mに近い数値を用いて誤答を作ることが多く、2mという閾値を明確に覚えておく必要があります。
(2) 掘削面の高さが2mの土止め支保工の切りばり又は腹起こしの作業【正解】
土止め支保工の切りばり又は腹起こしの取付け・取り外し作業は、高さに関係なく作業主任者の選任が必要です。したがって、掘削面の高さが2mであっても、あるいは1mであっても、常に作業主任者を選任しなければなりません。
本問では、あえて「2m」という数値を示して、地山の掘削の基準と混同させるひっかけになっています。「土止め支保工=高さ制限なし」という原則を確実に押さえておきましょう。
(3) 高さが3mの構造の足場の組み立て・解体
足場の組立て・解体・変更については、高さが5m以上となる場合に作業主任者の選任が必要です。本肢は3mであり、基準値に達していないため、作業主任者の選任は不要です。
また、試験では「組立て・解体のみ」と記載して、「変更」が抜けている選択肢を誤りとするパターンもあります。高さ5m以上+組立て・解体・変更のセットで覚えてください。
(4) 高さが4mのコンクリート橋梁上部構造の架設
コンクリート橋梁上部構造の架設は、高さが5m以上または支間が30m以上の場合に作業主任者の選任が必要です。本肢は高さ4mであり、支間についての条件も示されていないため、作業主任者の選任は不要です。
ここでも、「4m」という基準値に近い数値を用いて、5mのラインをあいまいにさせる出題パターンになっています。
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FAQ:作業主任者選任基準に関するよくある質問
Q1. 地山の掘削で作業主任者が必要になる高さはいくつですか?
A1. 掘削面の高さが2m以上となる場合に、地山の掘削作業主任者の選任が必要です。
Q2. 土止め支保工の作業では、どの高さから作業主任者が必要ですか?
A2. 高さ条件はありません。土止め支保工の切りばり・腹起こしの取付け・取り外し作業は、すべて作業主任者の選任が必要です。
Q3. 足場の組立てで作業主任者が必要になる条件は?
A3. 高さ5m以上の足場について、組立て・解体・変更のいずれの作業でも作業主任者の選任が必要です。
Q4. コンクリート橋梁上部構造の架設での基準値は?
A4. 高さが5m以上または支間が30m以上の場合に、作業主任者の選任が必要です。
Q5. 一級土木施工管理技士の試験では、作業主任者の問題をどう攻略すればよいですか?
A5. まずは、2m・5m・30m・高さ制限なしといった数値条件を暗記カードで整理し、次に地山の掘削・土止め支保工・足場・橋梁架設・トンネルなどの作業種別と対応させて覚えるのが効果的です。過去問と図解マンガを併用すると、短時間で定着しやすくなります。