
この記事では、一級土木施工管理技士の法規分野「労働基準法・災害補償」に関する過去問【No.51】を、マンガ・図解・暗記カードを使って教材レベルで解説します。療養補償・休業補償・打切補償など、数字と用語が多く混乱しやすいテーマですが、ここで一気に整理すれば、他の類題にも対応できる得点源になります。
過去問の正解だけでなく、各選択肢の根拠条文・考え方まで掘り下げることで、「なんとなく覚える」から「理由まで説明できる」レベルを目指します。最後に無料PDFと関連問題へのリンクも用意しているので、復習用の暗記カードとしても活用してください。
- 業務上の療養補償は全額(100%)負担が原則である。
- 休業補償は、労働できない日の平均賃金60%以上を支払う。
- 打切補償は、療養開始後3年経過+平均賃金1,200日分で補償義務を終了できる。
- 労働者の重大な過失が行政官庁に認定された場合、休業補償・障害補償を行わなくてもよい。
- 災害補償は、業務上か通勤災害かで扱いが異なる(本問は業務上災害)。
- 健康保険の自己負担3割と、労災の自己負担ゼロを混同しない。
災害補償の全体像を図解で整理【療養補償・休業補償・打切補償】

災害補償は、大きく分けて「療養補償」「休業補償」「障害補償」「遺族補償」「打切補償」などに分類されます。本問で問われているのは、特に頻出の療養補償・休業補償・打切補償です。
- 療養補償:業務上災害の治療費を全額負担する。
- 休業補償:働けない期間の生活を支えるため、平均賃金の60%以上を支払う。
- 打切補償:長期療養が続く場合に、一定条件で補償義務を終了させる仕組み。
マンガでイメージする災害補償:どこが「誤り」なのか
冒頭の猫マンガでは、「療養補償は50%負担でいいんじゃない?」というセリフをきっかけに、業務上災害の療養費は全額負担であることを強調しています。健康保険の「3割負担」のイメージが強いため、受験生が最も混同しやすいポイントです。
また、別のコマでは「3年たったらもう補償しなくていいの?」という疑問に対して、3年経過+1,200日分の打切補償という具体的な数字を会話形式で整理しています。数字だけを丸暗記するのではなく、「長期療養に対する出口の制度」というイメージで覚えると、関連問題にも対応しやすくなります。
用語・制度の深掘り解説:療養補償・休業補償・打切補償・重大な過失
1. 療養補償:業務上災害の治療費は「全額負担」
労働基準法上の療養補償は、労働者が業務上の事由により負傷し、又は疾病にかかった場合に、その治療に要する費用を使用者が全額負担することを定めています。ここでいう「全額」とは、診察料・投薬・入院費など、必要な療養に要する費用のすべてを指し、労働者に自己負担は生じません。
健康保険制度では原則3割負担が一般的ですが、業務上災害は労災保険・労働基準法の世界であり、自己負担ゼロという点が大きな違いです。この違いを理解しておくと、本問のような「50%負担」といったひっかけに惑わされなくなります。
2. 休業補償:平均賃金の60%以上
労働者が業務上の負傷・疾病により労働できず、賃金を受けない場合、使用者は平均賃金の60%以上の休業補償を行う義務があります。ここで重要なのは、補償の対象が「賃金を受けない日」であることと、「60%以上」という下限が定められている点です。
試験では、「50%」「70%」などの数字を混ぜてくることが多いため、60%という基準値を確実に押さえておく必要があります。また、実務上は労災保険から休業補償給付が支給されるケースが多いですが、試験ではあくまで労働基準法上の原則を問われます。
3. 打切補償:3年+1,200日分で補償義務を終了
療養が長期にわたり、いつまでも治癒しない場合、使用者の負担は非常に大きくなります。そこで設けられているのが打切補償です。療養開始後3年を経過してもなおらない場合、使用者は平均賃金1,200日分を支払うことで、その後の補償義務を終了させることができます。
ここで問われやすいのは、「3年」と「1,200日」というセットの数字です。どちらか一方だけを覚えていると、選択肢の文章に違和感を持てないことがあるため、「3年経過+1,200日分で打切り」というワンフレーズで覚えるのがおすすめです。
4. 重大な過失と行政官庁の認定
労働者が重大な過失によって業務上負傷し、又は疾病にかかった場合、一定の要件を満たせば、使用者は休業補償または障害補償を行わなくてもよいとされています。ただし、その「重大な過失」があるかどうかは、行政官庁の認定を受ける必要があります。
試験では、「重大な過失があると使用者は補償を行わなくてもよい」とだけ書き、行政官庁の認定という重要な条件を省略している選択肢がよく出題されます。本問では、この条件がきちんと書かれているため、正しい記述となっています。
過去問【No.51】災害補償に関する記述の正誤判定
問題文
【No. 51】 災害補償に関する次の記述のうち、労働基準法令上、誤っているものはどれか。
選択肢
(1) 労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合の療養のため、労働することができないために賃金を受けない場合においては、使用者は、休業補償を行わなければならない。
(2) 労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり補償を受ける場合、療養開始後3年を経過しても負傷又は疾病がなおらない場合においては、使用者は、打切補償を行い、その後はこの法律の規定による補償を行わなくてもよい。
(3) 労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合においては、使用者は、その費用で必要な療養を行い、又は必要な療養費用の100分の50を負担しなければならない。
(4) 労働者が重大な過失によって業務上負傷し、又は疾病にかかり、かつ使用者がその過失について行政官庁の認定を受けた場合においては、休業補償又は障害補償を行わなくてもよい。
正解
正解:(3)
各選択肢の詳細解説
(1) 休業補償に関する記述
(1)は、業務上の負傷・疾病により労働できず、賃金を受けない場合に、使用者が休業補償を行う義務があるという内容であり、労働基準法の規定に沿った正しい記述です。ここでは具体的な割合(60%)には触れていませんが、「休業補償を行わなければならない」という義務の有無を問う観点からは正しいと判断できます。
(2) 打切補償に関する記述
(2)は、療養開始後3年を経過してもなおらない場合に、使用者が打切補償を行い、その後は法律上の補償義務を負わないという内容です。これは、3年経過+打切補償(平均賃金1,200日分)により補償義務を終了できるという労働基準法の趣旨に合致しており、正しい記述です。
(3) 療養補償に関する記述(誤り)
(3)は、「必要な療養費用の100分の50(50%)を負担しなければならない」としていますが、これは明確な誤りです。業務上災害に対する療養補償は全額負担が原則であり、50%負担という規定は存在しません。
この選択肢は、健康保険の「自己負担3割」や、他の制度の一部負担のイメージと混同させる典型的なひっかけです。「業務上災害=労災=自己負担ゼロ」というセットで覚えておくと、迷わず誤りと判断できます。
(4) 重大な過失と行政官庁の認定
(4)は、労働者の重大な過失が行政官庁に認定された場合に、休業補償または障害補償を行わなくてもよいとする内容であり、労働基準法の規定に沿った正しい記述です。ここで重要なのは、重大な過失の有無を使用者が勝手に判断できないという点であり、必ず行政官庁の認定が必要となります。
無料PDFで復習:一級土木施工管理技士 法規・災害補償の過去問まとめ
災害補償のように数字と用語が多い分野は、暗記カード形式のPDFで繰り返し復習するのが効果的です。以下のページでは、一級土木施工管理技士の過去問10年分を無料PDFでダウンロードできます。
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関連する法規分野の過去問解説(内部リンク)
FAQ:一級土木施工管理技士「災害補償」よくある質問
Q1. 療養補償と休業補償の違いは何ですか?
A1. 療養補償は治療費(医療費)に関する補償で、業務上災害の場合は全額負担が原則です。一方、休業補償は働けない期間の賃金補償であり、平均賃金の60%以上を支払う制度です。
Q2. 打切補償の「3年」と「1,200日」はどのように覚えればよいですか?
A2. 「3年たったら1,200日分で出口」というフレーズで覚えると整理しやすくなります。療養開始後3年経過しても治らない場合に、平均賃金1,200日分を支払うことで補償義務を終了できる制度です。
Q3. 労働者に重大な過失がある場合、すべての補償が不要になるのですか?
A3. いいえ、そうではありません。重大な過失が行政官庁に認定された場合でも、休業補償・障害補償について免責が認められるにとどまり、すべての補償が自動的に不要になるわけではありません。問題文の条件をよく読むことが重要です。
Q4. 健康保険の3割負担と労災の療養補償はどう区別すればよいですか?
A4. 健康保険は私傷病が中心で自己負担が発生しますが、労災(業務上災害)は労働基準法・労災保険の世界であり、療養補償は全額負担です。「業務上災害=自己負担ゼロ」と覚えておくと、試験で迷いにくくなります。
Q5. 一級土木施工管理技士の法規分野はどのように勉強するのが効率的ですか?
A5. まずは頻出条文と数値(災害補償、労働時間、休憩・休日、安衛法など)を暗記カードで固め、その後に過去問を通して「どのように問われるか」を確認する流れが効率的です。無料PDFの過去問と、本記事のような図解・マンガ解説を組み合わせると、理解と暗記の両方を短時間で進められます。
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