
この記事では、一級土木施工管理技士の舗装分野「路盤施工」に関する過去問【No.28】を題材に、再生路盤材、セメント安定処理路盤、粒状路盤、シックリフト工法のポイントを整理します。マンガと図解、暗記カード形式で、試験で狙われやすいキーワードを一気に押さえられる構成です。
特に、シックリフト工法の弱点である初期わだち掘れや、再生路盤材の締固め性、セメント安定処理路盤の養生方法などは、本試験で頻出のテーマです。過去問を通して、現場イメージとともに暗記できるように解説していきます。
- シックリフト工法は厚層施工で内部に熱がこもりやすいため、冷却(養生)が重要。
- 再生路盤材は締め固めにくくリバウンドしやすいので、ローラ選定と転圧方法に注意。
- セメント安定処理路盤は含水比管理と表面保護が強度確保のカギ。
- 粒状路盤は最適含水比付近で締固めることが基本。
- 早期交通開放は初期わだち掘れの原因になりやすい。
- アスファルト乳剤散布は保水と表面保護の目的で用いる。
図解で理解する路盤施工のポイント

図では、再生路盤材、セメント安定処理路盤、粒状路盤、シックリフト工法の位置関係と施工イメージを示しています。厚層の加熱アスファルト安定処理路盤では、内部温度が高い状態で交通を通すと、荷重により初期わだち掘れが発生しやすくなります。
一方、粒状路盤や再生路盤材では、含水比や締固め方法が品質に直結します。セメント安定処理路盤では、表面にアスファルト乳剤を散布して保水と表面保護を行い、所定の強度を確保することが重要です。
マンガでイメージするシックリフト工法と路盤施工
猫マンガでは、厚く敷きならされた加熱アスファルト安定処理路盤の上を、早く交通開放してしまい、タイヤの通過部分だけが沈み込んで初期わだち掘れが発生する様子を描いています。
現場では「早く開放したい」という要求が強くなりがちですが、内部温度が高いままでは変形しやすく、結果的に補修コストが増大します。マンガのストーリーを通じて、「厚層=冷却養生が必須」というイメージを定着させることが狙いです。
用語と原理を深掘り解説
再生路盤材と締固め性
アスファルトコンクリート再生骨材を多く含む再生路盤材料は、骨材表面に古いアスファルトが付着しているため、粒子同士が滑りやすく締め固めにくい性質があります。そのため、使用するローラの種類(振動ローラ、タイヤローラなど)や転圧回数、走行速度に十分配慮する必要があります。
セメント安定処理路盤と養生
セメント安定処理路盤は、セメントの水和反応によって強度を発現します。締固め直後に交通開放する場合でも、表面の乾燥を防ぐためにアスファルト乳剤等を散布して保水し、含水比を一定に保つことが重要です。これにより、ひび割れや強度不足を防止できます。
粒状路盤と最適含水比
粒状路盤材料が乾燥しすぎていると、締固め時に十分な密度が得られません。施工中に適宜散水し、材料を最適含水比付近の状態に調整してから締め固めることで、所定の支持力と耐久性を確保できます。
シックリフト工法と初期わだち掘れ
シックリフト工法による加熱アスファルト安定処理路盤は、通常より厚い層を一度に施工するため、内部に熱がこもりやすくなります。この状態で早期に交通開放すると、荷重により初期わだち掘れが発生しやすくなります。必要なのは十分な冷却・養生であり、「舗設後に加熱する」という考え方は誤りです。
過去問【No.28】路盤施工の正誤判定
問題文
【No. 28】 道路のアスファルト舗装における路盤の施工に関する次の記述のうち、適当でないものはどれか。
選択肢
- (1) アスファルトコンクリート再生骨材を多く含む再生路盤材料は、締め固めにくい傾向にあるので、使用するローラの選択や転圧の方法等に留意して施工するとよい。
- (2) セメント安定処理路盤を締め固め直後に交通開放する場合は、含水比を一定に保つとともに、表面を保護する目的で必要に応じてアスファルト乳剤等を散布するとよい。
- (3) 粒状路盤材料が乾燥しすぎている場合は、施工中に適宜散水して、最適含水比付近の状態で締め固めるとよい。
- (4) シックリフト工法による加熱アスファルト安定処理路盤は、早期交通開放すると初期わだち掘れが発生しやすいので、舗設後に加熱するとよい。
正解
正解:(4)
各選択肢の解説
(1)について:
再生路盤材料は、アスファルトが付着しているため締め固めにくく、リバウンドしやすい傾向があります。そのため、ローラの種類や転圧方法に留意して施工するという記述は適切です。
(2)について:
セメント安定処理路盤では、締固め直後の乾燥を防ぐため、含水比を一定に保ちつつ、表面保護を目的としてアスファルト乳剤等を散布することがあります。これは適切な養生方法であり、記述は正しい内容です。
(3)について:
粒状路盤材料が乾燥しすぎている場合、最適含水比付近まで散水調整してから締め固めることで、密度と支持力を確保できます。この考え方は路盤施工の基本であり、記述は適切です。
(4)について:
シックリフト工法による加熱アスファルト安定処理路盤は、早期交通開放すると初期わだち掘れが発生しやすい点までは正しいものの、その対策は「舗設後に加熱する」ことではありません。必要なのは十分な冷却・養生であり、加熱は逆効果です。そのため、この選択肢は不適当となります。
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関連する舗装分野の過去問解説
よくある質問(FAQ)
Q1. シックリフト工法で最も注意すべき試験ポイントは何ですか?
A1. 厚層施工による内部の熱こもりと初期わだち掘れが最大のポイントです。早期交通開放は危険であり、十分な冷却・養生が必要という流れで問われることが多いです。
Q2. 再生路盤材に関する問題では、どのようなキーワードを押さえるべきですか?
A2. 「締め固めにくい」「リバウンドしやすい」「ローラ選定・転圧方法に留意」といった表現が重要です。これらが含まれていれば、正しい記述である可能性が高くなります。
Q3. セメント安定処理路盤の養生で、アスファルト乳剤を散布する目的は何ですか?
A3. 表面の乾燥を防ぎ、含水比を一定に保つことで強度発現を確実にすることが目的です。保水と表面保護というキーワードで覚えると整理しやすくなります。
Q4. 粒状路盤の施工で「最適含水比」がよく出題されるのはなぜですか?
A4. 粒状材料は含水比によって締固め性が大きく変わるため、最適含水比付近で施工することが品質確保の基本だからです。試験では、「乾燥しすぎている場合は散水して最適含水比付近で締固める」といった表現が頻出です。
Q5. 舗装の路床・路盤・基層・表層の関係はどのように整理すればよいですか?
A5. 下から路床→路盤→基層→表層の順に積み上がるイメージで覚えるとよいです。路床・路盤は支持力と排水性、基層・表層は耐久性と走行性に関わる層として整理すると、各層の役割と試験での出題意図が理解しやすくなります。